コラムを書いた人
泉妻颯
トレーナーズラボ第9期生の泉妻颯です。
皆さんこんにちは!
現役大学生ボディビルダーの泉妻颯(いずのめそう)です。
今回は、トレーニングに役立つ生理学について簡単に解説します。
生理学を知れば、
トレーニング効果が上がり、お客様の求める結果を実現できます!
呼吸器系や循環器系の仕組み、代謝のメカニズムや内分泌系の働きなど、さまざまな生理現象を理解することで、正しいダイエット指導、ボディメイクが行えます。
誰でもわかりやすいように簡単にまとめました。
最後までお付き合いください。
人間は食べた栄養(主に三大栄養素)を体内で利用可能なエネルギーに変換します。
これが代謝といわれるものです。
代謝には2種類の作用があります。
異化作用・・・大きな分子を小さい分子に分解すること
これによってエネルギーが放出されます。
同化作用・・・小さな分子を大きな分子に合成すること
異化作用の際に、作られたエネルギーをATP(アデノシン三リン酸)と言います。
次項では、このATPについて詳しく触れていきます!
何やら難しい図が出てきましたね笑
拒絶反応を起こした人は安心してください。
わかりやすく説明します。
図の中で注目して欲しいのが、P(リン酸)の部分です。
ATPの図では、Pが3つ繋がっているのに対して、
ADPの図では、Pが1つ外れています。
このPが外れた際に、エネルギーが発生します。
トレーニングで力を出した時、体内ではPが外れます。
しかし、ATPには限度があるため、分解ばかりではいつかは底をつきます。
そこで、ATPの供給(再合成)が必要になります。
ATPは車でいう、ガソリンのようなものだと思ってください。
次項では、ATPを再合成する仕組み3つを解説します!
肌色の部分を筋肉だと思ってください。
筋肉中には、CP(クレアチンリン酸)というものが蓄えられています。
実は、このCP(クレアチンリン酸)がC(クレアチン)とP(リン酸)に分解することでもエネルギーを発生できます。
次に、左の図を見ます。
先ほど分離したP(リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)と合成することで、再びATPに戻ることができます。
このような仕組みを、ホスファゲン機構またはATP-CP系と呼びます。
特徴として、約8秒しかこのエネルギー機構を使って動くことは出来ません。
理由は、筋肉中のCP(クレアチンリン酸)にも限度があるからです。
運動の種類ですと、瞬発的に大きな力を発揮する、短距離走やウエイトリフティングなどがこの機構を使用します。
ですので、筋力の向上、筋肥大に効果的です。
続きまして、解糖系の解説です。
解糖系とは、グリコーゲンをピルビン酸まで分解することです。
何のこっちゃ笑
分かりやすくいきます。
例えると、ピルビン酸はATPの原料となるものです。
ピルビン酸まで分解されたグリコーゲンは2つのルートに進み、それぞれでATPを作り出します。
このルートの分かれ方は、酸素を必要とするか、必要としないかで分類されます。
酸素が必要ない場合=速い解糖系
酸素が必要な場合=遅い解糖系
まず、速い解糖系について解説します。
・速い解糖系
酸素の供給が不十分な場合、ピルビン酸は乳酸に変換されます。
この乳酸に変換される過程で、ATPが発生します。
・遅い解糖系
酸素が十分に供給されている場合、ピルビン酸をミトコンドリアで運び、「酸化機構」のもとでATPが発生します。
※酸化機構については次の章で解説します。
筋トレ中に鍛えている部位が、パンパンになるのは乳酸が溜まっている証拠です。ということはその際、速い解糖系を使っていることになります。
乳酸を溜めることで、成長ホルモンの分泌が促進されます。
成長ホルモンは体脂肪の分解を促進するため、ダイエットを目的としたお客様には非常に効果的なトレーニングです。
最後は酸化機構の解説です。
すごい図ですね笑
酸化機構は、低強度の運動や安静時にATPを供給する機構のことです。
先程の章で触れた遅い解糖系と同じで、完全に酸素の供給が十分な場合は、ピルビン酸がミトコンドリアに輸送されて、クエン酸回路というものに入り、APTを作り出します。
こちらは、有酸素運動など2〜3分以上継続できる運動の際に利用されます。ですので、筋持久力の向上に効果的です。
以上が、人間がエネルギーを作り出す3つの機構の解説でした。
お客様の目的に合わせて、どういった強度でどれぐらいの時間、継続させれば良いのかを考え、使い分けることでより効果的な案内ができます。
次回は、さらに役立つ生理学をお届けします!
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