コラムを書いた人
高倉桃子
トレーナーズラボ第12期生の高倉桃子です。
こんにちは。
ヨガIR×パーソナルトレーナーの高倉桃子です。
トレーニングに必要な知識というと、筋肉の名前や体の動かし方、つまり解剖学を思い浮かべる方が多いと思います。解剖学はもちろん大事ですが、それと同じくらい生理学も重要です。
なぜなら、生理学を理解していないと、せっかく正しいフォームでトレーニングをしても効果が得られにくいからです。
今回は、トレーニングに必要な生理学について解説していきます。
目次
・人間にとってのガソリン「ATP」
・ガソリンホース①ホスファゲン機構
・ガソリンホース②解糖系機構
・ガソリンホース③酸化系機構
・どのホースが使われるかはどうやって決まる?
車が走るのにはガソリンが必要ですよね。
人間が筋活動を行うためにもガソリンが必要です。
その人間にとってのガソリンは、「ATP」と呼ばれるエネルギー体です。
たんぱく質、脂質、糖質の3大栄養素を摂ると、体の中で分解されます。
そして出来上がるのがATPです。
ATPは、主に筋肉で使われます。
筋細胞にATPを貯蔵しておくことも出来ますが、継続的に筋活動を行うためには、ATPを生産することが必要です。
ATPを生産して供給する、言わばガソリンホースは3つあります。
ATP(アデノシン3リン酸)は活動エネルギーとして使われると、「P(リン酸)」が一つ減って「ADP(アデノシン2リン酸)」に変化します。
ATPに戻すためには「P」が必要なので、「CP(クレアチンリン酸)」の「P」と結びついて再びATPになります。
炭水化物を使用して、ATPを再生産します。
まず、炭水化物は、「グルコース(血糖)」に分解されます。グルコースは、「グリコーゲン」として肝臓や筋肉に貯蔵されるか、「ピルビン酸」という物質に変わります。
ピルビン酸から2つのルートに分かれます。
必要な酸素が無ければ、「速い解糖」と呼ばれるルートに進みます。このルートでは、ピルビン酸が「乳酸」への変換され、ATPを生産します。
2つ目は、「遅い解糖」と呼ばれるルート。
必要な酸素があれば、こちらのルートに進みます。
こちらは、次に紹介する酸化系機構に繋がっていきます。
遅い解糖ルートから、ミトコンドリアに輸送されて、ピルビン酸は「アセチルCoA」に変化します。アセチルCoAは、CTA回路に取り込まれ、ATPが作られます。
アセチルCoAは、炭水化物だけでなく、脂質、たんぱく質からも作られます。使用される順番は、炭水化物→脂質→たんぱく質の順です。
どのホースが使われるかは、運動強度、運動の継続時間によって決まります。
【運動強度(継続時間)】
非常にキツい(0〜6秒) ▶︎ホスファゲン機構
かなりキツい(6〜30秒) ▶︎ホスファゲン機構、速い解糖
キツい(30秒〜2分) ▶︎速い解糖
普通(2〜3分) ▶︎遅い解糖、酸化系機構
軽い(3分以上) ▶︎酸化系機構
せっかくトレーニングをするなら、知識を持って、効率的に理想の体を目指しましょう♪
次回はパーソナルトレーナーと生理学vol.2をお送りします。
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