パーソナルトレーナーに必要な生理学の知識VOL.2

 こんにちは、umiです。
 生理学をパーソナルトレーナーが勉強しても意味がないのではないか?と思う方もいるかもしれません。しかし、自分がダイエットをしたり、ゲストがボディメイクをしたい時には、生理学は大事なものになってきます。実際、私は今ケトジェニックダイエット中なのですが、生理学を勉強したことがとても役に立っています。


 例えば、前回紹介したATPの作られ方を知っておくことで、ケトジェニックを初めて、最初に2~3㎏体重が減る理由がわかります。理由は解糖系機構が関わっています。糖質を摂らないことによって、解糖系機構が働かなくなり、グリコーゲンの貯蔵が減っていきます。このグリコーゲンの貯蔵が減ることによって、その分とそのグリコーゲンと一緒にくっついている水も同時に減っていきます。このようなことが知ることができ、ケトジェニック初期で2~3㎏体重が減る理由がわかります。
 よって、パーソナルトレーナーは生理学を勉強する必要があるのです!


 では、今回は、生理学の知識であるホルモンなどについてご紹介していきたいと思います。

目次
1.糖以外の物質から糖を作る方法
2.運動強度と時間がATPを生成する鍵となる
3.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモンとは
4.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~インスリン~
5.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~グルカゴン~
6.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~成長ホルモン~
7.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~エストロゲン・プロゲステロン~
8.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~コルチゾール~
9.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~甲状腺ホルモン~

1.糖以外の物質から糖を作る方法
 糖以外のトリグリセリドという中性脂肪や乳酸、アミノ酸である筋肉から糖を作ることができることを糖新生と呼びます。
 この糖新生は、酸化系機構の時に主に使われます。
 では、まず酸化系機構について復習していきましょう。

 酸化系機構では、上記のTCAサイクルを通ってATPが作られます。その際、材料になっているのは、炭水化物、脂質、たんぱく質です。ケトジェニックダイエットなどに糖質を制限するダイエットなどを行うと、脂質、たんぱく質からATPを作るようになります。よって、ここで糖新生がでてくるのです。


 しかし、アミノ酸から作られることは避けなければなりません。アミノ酸は筋肉のことです。なので、せっかくトレーニングをしてつけた筋肉からATPが作られてしまうため、筋肉が減ってしまいます。アミノ酸からの糖新生を防ぐためには2つ注意しなければなりません
 ①長期の飢餓
 ②90分以上の運動
 これら2つに注意して、ケトジェニック中は脂質をしっかり摂っていきましょう。

2.運動強度と時間がATPを生成する鍵となる

 前回も同じ表を載せたので、こちらも復習になります。ATPを作る方法は、運動強度と運動の継続時間によって決定します。

 継続時間によって機構は変わりますが、急に機構が切り替わるというわけではありません。上のグラフのようにゆるやかに移行していきます。

3.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモンとは
 ホルモンは、内分泌腺や特定の細胞で作られます。その作られたホルモンは、血中に放出され、化学伝達物質として身体の中で働いてくれます。

 ホルモンは、そのホルモンが分泌される条件がそろった運動をしたりすることによって、分泌が促され、身体に変化をもたらしてくれます。様々なものがあるので、下記で代表的なものをご紹介していきたいと思います。

4.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~インスリン~


【分泌される場所】
 膵臓のランゲルハンス島のβ細胞

【主な働き】
 血糖値を下げる
 筋の合成に最も強く働く

 インスリンは、同化ホルモンであり、糖質の代謝に関与するため、バルクアップの時期に活用されます。よって、バルクアップ時には、調整された糖質の調整が必要となります。

5.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~グルカゴン~

【分泌され鵜場所】
 膵臓のランゲルハンス島のα細胞

【主な働き】
 血糖を上げる
 筋の分解を促す
 低血糖を起こさないように血糖をコントロールする

 グルカゴンは、インスリンの働きと反対の異化ホルモンであるため、筋の分解を促してしまいます。また、空腹を感じると、グルカゴンが分泌されてしまうので、こまめに分泌を抑えるためには、こまめに食事をする必要があります。

6.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~成長ホルモン~

【分泌される場所】
 脳の下垂体前葉

【主な働き】
 脂肪細胞から脂肪酸の放出を刺激する
 体脂肪の減少と同時に脂肪を抜いた体重の増加

 解糖系機構での6~30秒または30秒~2分間の運動をすると、血中乳酸度が上昇し分泌が促されます。そして、この成長ホルモンは寝ている間に分泌されるため、22時~翌2時で分泌されるので、この時間には睡眠に入っている必要があります。この早めの就寝が体脂肪減少や疲労回復に役立つのです。

7.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~エストロゲン・プロゲステロン~

【分泌される場所】
 卵巣

【主な働き】
 基礎体温を上昇させる

 簡単に言うと、女性ホルモンのことです。上記のように生理の際に、分泌が促進されるため、生理が始まる1週間前から気持ちの低下が起こりやすくなったり、筋肉量が減って体脂肪率が増えてしまったりしてしまいます。しかし、この増減は生理の時のみに発生するので、生理が終われば、元の数値に戻ります。

8.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~コルチゾール~

【分泌される場所】
 副腎皮質

【主な働き】
 アミノ酸を糖質へ変換する
 たんぱく質合成を抑える
 筋力の低下

 別名をストレスホルモンと呼びます。コルチゾールによって異化作用を促進させます、また、濃度が急上昇していることがありますが、これは急性の炎症反応が起きている証拠として受け取ります。

9.ボディメイクやダイエットに欠かせないホルモン~甲状腺ホルモン~

【分泌される場所】
 甲状腺

【主な働き】
 細胞の代謝率を上げる
 全身の活性化を促進する

 このホルモンは全身の細胞に作用し、様々な良いことを身体にもたらしてくれます。そして、アミノ酸も誘導してくれるホルモンとなっています。

 今回は、パーソナルトレーナーに必要な生理学の知識であるホルモンについてを中心にご紹介してきました。生理学は、身体の中で何がどのように反応しているのかなどをしることができる分野です。ご紹介したホルモンの他にもたくさんホルモンんというものが存在しているので、覚えなければならないことはたくさんあり、大変かもしれませんが、生理学は大切なのだと改めて感じたのと、生理学の勉強をよりしていこうと思いました。

 最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
 次回は、栄養学についてです。栄養学の基本的なことについてご紹介していきたいと思います!

澤野うみ

コラムを書いた人
澤野うみ

トレーナーズラボ第5期生の澤野うみです。

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