パーソナルトレーナーに生理学は必要?VOL.2

こんにちは!パーソナルトレーナーのmiyuです。
本日は生理学VOL.2です!前回のVOL.1の続きになります。

まず、みなさんケトジェニックとはご存知ですか?
体の主なエネルギー源がケトン体という物質になり、ケトーシスという状態で行うダイエットを言います。

簡単に言うと、糖質を制限し脂質を大量に摂ることによって、エネルギー源を糖質から脂質に変える食事法の事です。

本文でも詳しく説明しますが、ケトジェニック中は筋肉が分解されやすくなります。
生理学を学び、対策法を知っておくとしっかりと筋肉を落とさず脂肪だけを減らすことができますよね!

また、ケトジェニックは長期的に行う事で、インスリン抵抗性を改善させることができます。
インスリン抵抗性を改善することでメタボやⅡ型糖尿病の予防にもなります。

このように、生理学とダイエットは大きく関与しているので、ケトジェニック前に生理学を学ぶ事で、効果をより大きくすることが期待できますね!


目次

6.運動強度と継続時間
7.糖新生
8.インスリン・グルカゴン
9.成長ホルモン
10.男性ホルモン・女性ホルモン
11.コルチゾール
12.甲状腺ホルモン


6.運動強度と継続時間

前回、ホスファゲン機構、解糖系機構、酸化機構のお話をしました。

その機構は、全て常に活動しています。
しかし、運動強度と継続時間によって、占める割合が決まってきます。
その関係が下の表になります。

画像を拡大表示

前回お話しましたように、速い解糖は乳酸を生産し体脂肪燃焼を促進します。
ですので、体脂肪燃焼をしたい場合、きつい運動強度を30秒〜2分続けて行えばいいということになります。


7.糖新生

糖新生とは、ピルビン酸、乳酸、アミノ酸、トリグリセリド(中性脂肪)などの糖質以外の物質から、グルコース(糖質)を生産する手段・経路のことです。

糖新生では、筋肉を分解して、アミノ酸を使ってエネルギーを生産します。
糖新生で筋肉が分解されると、基礎代謝が下がり、痩せにくい体になってしまいます。

これは、エネルギー生産の主要であるグルコースが不足した時に起こります。
ということは、最初にお話したケトジェニックで起こってしまうということになりますよね!!

ケトジェニック中の糖新生を抑えるために、たんぱく質の摂取がとても重要になります。

アミノ酸は、糖原性アミノ酸とケト原性アミノ酸の2種類に分けられます。
ここで使われるのは糖質に変化することができる糖原性アミノ酸です。
ケト原性アミノ酸はケトン体に変化します。

ケト原生アミノ酸を中心に摂ることで、糖新生を抑えて、ケトーシスの状態に移行することができます。

ケト原生アミノ酸のサプリとして、BCAA、EAAがおすすめです!!


8.インスリン・グルカゴン

次は、ボディメイクに関わるホルモンについてお話していきます。

インスリンは、血糖値を下げる同化ホルモン、
グルカゴンは、血糖値を上げる異化ホルモンです。
反対の性質ですね!

《インスリン》
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されます。

炭水化物は分解され、ブドウ糖に変わります。
このブドウ糖は体を動かすための燃料として、血液中に送られ、細胞内でエネルギーとして利用されます。
この時、血中にあるブドウ糖を細胞に取り込むものがインスリンです。

インスリンが少ないと、ブドウ糖を細胞に取り込めず、血糖値が高くなり、糖尿病を引き起こします。

《グルカゴン》
グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されます。

糖新生により、ブドウ糖の産生・放出を促進し、血糖を上昇させることで、低血糖を起こさないよう血糖をコントロールしているホルモンです。

ボディメイク中は筋の分解を防ぐために、小まめな食事が必要になります!


9.成長ホルモン

成長ホルモンは、前回少しだけお話に出てきましね!
速い解糖で、血中乳酸濃度が上がることで体脂肪を燃焼してくれるホルモンです!!

その他、成長ホルモンは下のようなとてもいい働きをしてくれます。

・脂肪酸の利用促進
・たんぱく質合成促進
・コラーゲン合成促進
・軟骨成長の促進 など


成長ホルモンは、就寝して22時〜翌2時で多く分泌されるので、それまでの就寝がオススメです!!


10.男性ホルモン・女性ホルモン

男性ホルモン・女性ホルモンという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?

男性ホルモンの代表がテストステロン、
エストロゲン・プロゲステロンが女性ホルモンです。

《テストステロン》
テストステロンは成長ホルモンの分泌促進、筋のタンパク質合成に関わるホルモンです。

筋肉質な体型やがっしりした骨格などいわゆる「男性らしさ」を構成するために重要な役割を果たします。

女性は男性の15〜20分の1しか分泌されないため、男性のように筋肉ムキムキにならないのです。

《エストロゲン・プロゲステロン》
エストロゲンは、丸みのある体型など「女性らしさ」を構成するホルモンです。
エストロゲンの分泌が多いときは、気分が明るくなったり、痩せやすくなるという特徴があります。

プロゲステロンは、妊娠の準備のためのホルモンになります。
プロゲステロンの分泌が多いときは、浮腫みやすくなったり、気分が下がったりしてしまいます。

生理の周期によって、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量は変わってきます。

また、生理前は体に栄養を溜め込もうとするので、ダイエットをしていても体重・体脂肪率がupしてしまいます。

これらのことを頭に入れておけば、ダイエット中体重が増加しても焦る必要はありませんね^ ^

画像を拡大表示

出典:https://www.nittai.ac.jp/female/menstrual_cycle/index.html


11.コルチゾール

コルチゾールは、別名ストレスホルモンといって、ストレスを受けたときに分泌が増えるホルモンです。

このホルモンは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、筋力の低下などを引き起こします。
あまりいいイメージのないホルモンですね、、

テストステロン・インスリンと拮抗するという働きもあるので、筋力の低下をさせないためにもこの働きを活用していくといいでしょう!

テストステロンは、きつい運動によって分泌されます。きつい運動でストレスを発散することで、コルチゾールの分泌を抑えてくれます。


12.甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンは、全身の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる働きをもつ、アミノ酸誘導体のホルモンのことです。

甲状腺ホルモンの分泌量が多すぎてしまうと、代謝が良くなりすぎ、何もしていないのにカロリーをたくさん消費してしまいます。
その結果、体が痩せこけていってしまいます。(甲状腺機能亢進症)

逆に、甲状腺ホルモンの分泌量が少なすぎてしまうと、代謝がとても悪くなり、とても痩せにくい体になってしまいます。(橋本病)

このように、甲状腺ホルモンは分泌量が多すぎても少なすぎてもいけないホルモンになります。


私は、生理学と運動は関係のあることとわかっていましたが、詳しくは理解していませんでした。

今回、生理学を学んでみて、運動強度と時間、ホルモンのことなど全てが運動と食事に関わっていました。
生理学を理解した上で、パーソナルトレーナーは適切な食事・運動指導を心がけなければならないと思いました!

最後までお読み頂きありがとうございました。
次回は”栄養学”についてお話ししていきます!!

小原美佑

コラムを書いた人
小原美佑

トレーナーズラボ第12期生の小原美佑です。

instagram