コラムを書いた人
八木美里
トレーナーズラボ第13期生の八木美里です。
こんにちは。
パーソナルトレーナーの勉強をしているMisatoです★
今日は生理学についてお話していきたいと思います。
パーソナルトレーナーにそもそも“生理学”は必要かを考えてみました。
筋トレの知識ちょっとした栄養の知識、それだけで本当に良いのでしょうか?
身体の筋肉はもちろん、骨や関節、体の中の仕組みである生理学まで知っておくことが、個々の強みになるのではないかと思います。
また、本日お話しするエネルギーの作られ方などを理解していれば、最も効果的なトレーニングやプログラムをゲストにご案内することが出来ると思います!
そこでパーソナルトレーナーに必要な生理学の知識を下記ににまとめてみました。どうぞお付き合いください。
~目次~
1⃣ 代謝の仕組み
2⃣ エネルギー源“ATP”とは
3⃣ エネルギー供給機構について①~ホスファゲン機構
4⃣ エネルギー供給機構について②~解糖系機構
5⃣ エネルギー供給機構について③~酸化系機構
1⃣ 代謝の仕組み
代謝が良いとか悪いとか、会話のなかでもよく使いますが、“代謝”って説明できますか?
“代謝”とは、簡単に言うとエネルギーの分解と合成のバランスです。
難しい言葉で言うと、
分解=異化作用、合成=同化作用といいます。
では詳しく説明していきます!
【異化作用】
異化作用とは、大きな分子から小さな分子への分解過程で、エネルギーが放出されることです。ex,炭水化物がグルコースに分解されることなど・・!
【同化作用】
同化作用とは、異化作用の逆で、小さな分子が大きな分子に合成すること。この合成する過程で異化作用で放出されたエネルギーを使用します。
ex,アミノ酸からたんぱく質の合成があることなど・・!
ヒトの体はこの異化作用と同化作用のバランスによって一定に保たれているのです^^
これを代謝と呼びます。
2⃣ エネルギー体“ATP”とは
ATPとは、先ほど述べた異化作用の過程で作り出されたエネルギー体を言います。こちらは炭水化物・脂質・タンパク質から作り出されています!
ATPの中身ですが、アデニンとリボース(結合するとアデノシンという分子になる)と3つのリン酸から成り立っています。
ATPはアデノシン三リン酸と呼ばれ、十分なATPの供給なしには筋活動と筋の成長はありえない、とても重要なエネルギー体なのです!
3⃣ エネルギー供給機構について①
ATP を作り出す供給機構は3つ存在します。
それぞれの供給機構はATPを作り出す過程に違いがあります!
ではそれぞれ紹介していきましょう!
~ホスファゲン機構(ATP-CP系)~
ホスファゲン機構は、短時間で高強度の身体活動(例:ジャンプやスプリントなど)の為のATPの主要な供給源ですが、強度に関わらず全ての運動時にエネルギーを供給する、いわばリーダー的な供給機構です。
特徴・・・
★ATPとクレアチンリン酸の化学反応でエネルギーを供給します。
→ATP は活動によって使われた後、一つのリン酸が減り、“アデノシン二リン酸”に変化しますが、CP(クレアチンリン酸)が肝臓から供給されることで再合成され、また活動エネルギーのATP として使用することが出来ます。
このATPの生産方法がホスファゲン機構です。
また、
★ATPの生産速度が最も早い
★ATPの作られるボリュームは最小
と言うのもポイントです。
~補足~
トレーニングにおいてクレアチンを摂る理由は、上記でお話したように
筋肉活動の際、エネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)の再生にCP(クレアチンリン酸)が利用されるからです^^
理由を知っておくと納得です!
4⃣ エネルギー供給機構について②
~解糖系機構~
解糖系機構とは、筋に蓄えられたグリコーゲンあるいは血中に運ばれたグルコースといった炭水化物を分解し、ATPを産生する供給機構です。
その名の通り、糖質の分解をする過程でATPを作り出します。
特徴・・・
★解糖系の中には”早い解糖”と“遅い解糖”がある
→速い解糖は乳酸への変換時にATPを産生
→遅い解糖はミトコンドリアの輸送時にATPを産生
★ATPの生産速度はホスファゲン機構の次に“速い解糖”→“遅い解糖”と遅くなる
★ATPの作られるボリュームははホスファゲン機構の次に
“速い解糖”→“遅い解糖”と大きくなる
5⃣ エネルギー供給機構について③
~酸化系機構~
酸化系機構とは、安静時や有酸素運動中にATPを供給する機構で、主に炭水化物と脂質からATPを生産する供給機構です。
ex.水中エアロビクスやヨガ等の運動は、主に酸化機構からのエネルギーに依存しています。
★「酸化」系の名の通り、ATP産生に酸素を利用することが大きな特徴
★ATP産生はミトコンドリア内で起こる。
※ミトコンドリアとは人の細胞の中に存在する器官(細胞小器官)
★ATPの生産速度が最も遅い
★ATPの作られるボリュームは最大
と言うのもポイントです。
このように運動強度と運動の継続時間によって使用されるエネルギー機構が異なります。そのため、トレーニングプログラムにおいては、その運動がどの供給機構からエネルギーを供給されるかを理解し、それによって回数や休憩時間を組み立てることも重要なポイントとなるのです!
このような理由からトレーナーも生理学の知識は必須ということになります!
次回は“生理学VOL2”身体に関わるホルモンについてお話していきます。
本日もお読みいただきありがとうございました★
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