パーソナルトレーナーと生理学の関係~ボディメイクに必要なホルモン~VOL2

こんにちは。パーソナルトレーナーの勉強をしているMisatoです★

本日は前回の続きで、生理学~ホルモン~のお話をしていきます。
パーソナルトレーナーにとって生理学の知識は、トレーニングだけでなく
ダイエットやボディメイク、コンディショニング、食事指導など、あらゆる仕事内容に関係します。この生理学における代謝のメカニズム(前回の内容)や内分泌系のホルモンの働きなどを理解することでゲストに対して適切なご案内ができるようになります。
特に近年人気のケトジェニックダイエット(糖質制限ダイエット)は、体のメカニズムを利用したダイエット方法で、糖質を制限し、脂質を増やすことによってエネルギー源を炭水化物から第二のエネルギー源である脂質に変えるというものです。
間違った方法でこのケトジェニックダイエットをすると筋肉量が減ってしまったり体のにとって良くない結果が出てしまいます。
そのためにも体の代謝のメカニズムやホルモンの働きなども知っておく必要があり、知識を得てからケトジェニックダイエットをすることにはとても意味があるのです!

~目次~
1⃣ ダイエッター必見!~糖新生とは?
2⃣ 運動強度と運動継続時間によるエネルギー供給について
3⃣ ボディメイクに深く関わるホルモンについて
1) インスリン
2) グルカゴン
3) 成長ホルモン
4) テストステロン
5) エストロゲン/プロゲステロン
6) コルチゾール
7) 甲状腺ホルモン

~まとめ~

1⃣ダイエッター必見!~糖新生とは?
糖新生とは、炭水化物(糖)以外の物質から糖を生成する経路のことです。
糖新生に利用される主な材料は,タンパク質の分解によって供給されるアミノ酸や脂肪細胞の中性脂肪(トリグリセリド)の分解で生じるグリセロール,乳酸などです。

糖新生では糖ではなくタンパク質が分解されてエネルギー源になる為、この糖新生が起こると、筋肉がどんどん少なくなっていき、脂肪だけが残ってしまう!という現象が起きます。
後々リバウンドを引き起こす引き金になってしまうので、これは絶対に避けたいものです…!

どんな時に“糖新生”が起こるかというと
①長期の飢餓(おなかがペコペコの状態)
②90分以上の運動
です。

そしてATPは炭水化物→脂質→タンパク質の順番でつくられるため、
ケトジェニック中の糖質制限におけるエネルギー源・脂質が足りないと
タンパク質がエネルギー源になってしまうため、脂質をしっかりとってダイエットをする必要があるのです。

2⃣ 運動強度と運動継続時間によるエネルギー供給について

前回ATP を作り出す供給機構は3つ存在するとお話ししました。
どんな運動の時、どのエネルギー機構からエネルギーが供給されるか見てみましょう!
【ホスファゲン機構】
継続時間…0〜6秒
運動強度…非常にキツイ

【解糖系機構】
~速い解糖~
継続時間…6〜120秒
運動強度…かなりきつい・きつい
~遅い解糖~
継続時間…2分〜3分
運動強度…普通

【解糖系機構】
継続時間…3分以上
運動強度…軽い

上記のように
無酸素運動(筋トレ系)はホスファゲン機構、解糖系機構
有酸素運動(ジョギングやヨガ等)は酸化系機構というイメージです。

3⃣ ボディメイクに深く関わるホルモンについて
ボディメイクとホルモン、関係あるのか?と思いますが大ありです!
ボディメイクと関係のある主要なホルモンについてご説明していきます!

1) インスリン
糖質の代謝に関与するホルモンの一種。
膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌される。
働き→血糖をさげる、筋の合成に最も強く働く。

★運動直後に「糖質」と「たんぱく質」とることで、糖質に反応して分泌された「インスリン」が筋肉に糖分が入りやすい状態にしてくれます。
この時「糖」と一緒に大量のたんぱく質も筋肉の中に入っていき、バルクアップにつながります。

2) グルカゴン
筋の分解(糖新生)を誘発させるホルモンの一種。
膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌される。
働き→血糖を上げる、筋の分解に働く。

★低血糖にならないように血糖をコントロールしている為、低血糖を起こさないように小まめに食事をとる必要があります!

3) 成長ホルモン
タンパク質のホルモン。
頭の中の下垂体前葉から分泌される。
働き→骨の伸長や筋肉の成長を促進、体脂肪減少、疲労回復に役立つ。
また、肝臓や筋肉、脂肪などの臓器で行われる代謝を促進する。

★血中の乳酸濃度を感知して分泌が促され、解糖系機構(速い解糖)の運動時に発動します。
また、休憩時間を1分に設定すると成長ホルモンの濃度が上がります!
ex,10RM×3Set 休憩1分
★22時から翌2時で分泌が上昇されるので、早めの就寝が効果的。

4) テストステロン
男性ホルモン。
男性は精巣、女性は卵巣と副腎から分泌される。
働き→筋のたんぱく質の合成(骨格や筋肥大など)、成長ホルモンの放出を助ける。

★胸や足、背中などの大筋群を使う運動で濃度が上昇します。
★コンバウンド法やトライセット法など複数のトレーニングを実施すると効果的!
※女性は男性の20分の1しか分泌されないホルモンなので、すぐにムキムキになる事はありません!

5) エストロゲン/プロゲステロン
女性ホルモン
働き→1ヶ月のリズムを作る女性ホルモン
【エストロゲン】
=女性らしいカラダを作るホルモン
はりのある肌を保つ働き、骨粗鬆症などの生活習慣病から身を守るなど。
【プロゲステロンプロゲステロン】
=妊娠に関わるホルモン。
子宮内膜を整える働きがあり、体内の水分量を保つ、食欲を増進させる、基礎体温を上昇させる、眠くなる、イライラする、憂鬱になる等の作用がある。

★どちらも女性には必ず備わっているホルモンなので、ダイエット時期には筋肉量が減って体脂肪が上がったりしますが、一時的なホルモンの影響であることを理解しておきましょう。

6) コルチゾール
別名ストレスホルモン
※心身がストレスを受けると、急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
副腎で分泌される。
働き→肝臓で糖をつくり出す、脂肪を分解して代謝促進する、免疫抑制、筋力低下など。

★コルチゾール分泌のバランスを整えるには、サイクリングやジョギングなど有酸素運動が有効です。適度な運動がコルチゾール分泌バランスを整えます。

7) 甲状腺ホルモン
甲状腺から分泌されるホルモン。
働き→全身の活性化を促進させるホルモン。
思考の活性化、筋力維持や強化、全身の発育成長を促進、糖や脂質代謝への作用、基礎代謝維持など。

★甲状腺ホルモンは上記のように新陳代謝の過程を刺激し促進するよい作用がありますが、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると起こるバセドウ病や
バセドウ病と正反対で、甲状腺ホルモンの量が不足して新陳代謝が低下する橋本病という病気があります。

【バセドウ病】
…体重減少、指の震え、暑がり、汗かきなどの症状あり

【橋本病】
…疲れやすさ、全身のむくみ、体重増加、便秘、 女性では月経過多などの症状あり。
普段の生活をしていて上記のような症状がある場合は無理をせず病院へ。
普段の自分との変化に気づくことが重要です!

~まとめ~

今回は生理学とボディメイクについてまとめてみましたが、調べれば調べるほど、ホルモンと運動が深く関わっていることが分かりました!
どんな時にホルモンが分泌されるか等の知識は、プログラムデザイン(トレーニングのセット数や休憩)をする上でとても重要な要素になることが分かります。
エネルギー供給機構を理解するのがとても難しかったのですが・・理解することで一つ強みができたと思います!
更に知識・理解を深めていきたいと思います!

次回は“栄養学”についてお話していきます!
本日もお読みいただきありがとうございました★

八木美里

コラムを書いた人
八木美里

トレーナーズラボ第13期生の八木美里です。

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