コラムを書いた人
瀬川実玲
トレーナーズラボ第13期生の瀬川実玲です。
こんにちは!mireiです。
前回、人間の体でどのようにエネルギーが使われ、
作られるのかということについてお話ししてきました。
今回はその続きです!
生理学を学ぶことは
ボディメイクをする際にとても必要になってきます。
例えば、ケトジェニックダイエット(糖質制限)は開始1週間ほどで2-3kg落ちます。この現象には、前回説明した「解糖系機構」が関わっています。
体から糖を抜くことによって、体の中に溜め込まれているグリコーゲンが使われます。グリコーゲンと一緒にくっついている水分も一緒に体から抜けるので、一気に体重が落ちるのです。
これを知っているか知っていないかでは
ボディメイクの効果がかなり変わってくると思います!!
今回は引き続き、ボディメイクに必要な知識を
紹介していきたいと思います!
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目次
1. 【糖新生とは?】
2. 【運動強度と運動時間の関係】
3. 【ボディメイクに深く関わるホルモン】
①インスリン
②グルカゴン
③成長ホルモン
④テストステロン
⑤エストロゲン・プロゲステロン
⑥コルチゾール
⑦ 甲状腺ホルモン
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1. 【糖新生とは?】
糖新生とは、糖以外の物質から糖を作り出す方法です。
糖以外の物質とは、トリグリセリド(中性脂肪)や乳酸、アミノ酸(筋肉)のことです。
前回説明した、酸化機構について復習してみましょう。
酸化機構では、炭水化物、脂質、タンパク質の栄養からTCA回路(クエン酸回路)を通り、ATPが作られると言うことをお話しました。
ケトジェニックダイエットの場合、糖質を摂らないことにより、脂質やタンパク質からATPを作る必要があります。この時、糖新生が起こるのです!
また、
炭水化物→脂質→タンパク質の順番でATPはつくられるため、糖質制限を行っている間は脂質が不足してしまうとタンパク質から糖新生が起こってしまいます。
これは避けなくてはなりません。
タンパク質(アミノ酸)からの糖新生は
①長期の飢餓 (空腹の状態)
②90分以上の運動
この2つの状況の時に行われます。
ボディメイクを行う際、筋肉はエネルギー消費・熱の生産・力の発揮・体型の維持向上など様々な点において重要な組織であるため、上記二つに注意して、筋の分解を最小限にする必要があります。
2. 【運動強度と運動時間の関係】
こちらも前回説明しましたが、復習です^^
ATPを再合成する機構はまず運動強度、
次に運動時間によって決まります。
運動強度、運動時間によってそれぞれのエネルギー機構に決定されますが、急激に切り替わるではなく、常に3つのエネルギー機構は全て活動しているため、上記のように緩やかに変化していきます。
3. 【ボディメイクに深く関わるホルモン】
①インスリン
○分泌される場所
→膵臓のランゲルハンス島のβ細胞
○主な働き
→血糖値を下げる
筋の合成に最も強く働く
○ボディメイクにおけるポイント
筋を増大させたいバルクアップ期にはインスリンの活用が鍵となります。インスリンを出すためには運動後に糖質をとることがオススメです!
②グルカゴン
○分泌される場所
→膵臓のランゲルハンス島のα細胞
○主な働き
→血液を上げる
筋の分解(糖新生)を誘発させる
○ボディメイクにおけるポイント
お腹がグゥと鳴るときは低血糖のサインです。低血糖を起こさないためにグルカゴンがコントロールしてるため、グルカゴンを出さないためには分割食がオススメです!
③成長ホルモン
○分泌される場所
→下垂体前葉
○主な働き
→体脂肪を減少させる
○ボディメイクにおけるポイント
成長ホルモンは血中乳酸濃度の上昇を探知して分泌されるので、重量のある追い込んだ運動をして乳酸を溜める必要があります。また、22時〜夜中2時に分泌上昇されるので、早めの就寝が体脂肪減少につながります!
④テストステロン(男性ホルモン)
○分泌される場所
→ 男性は精巣、女性は卵巣と副腎
○主な働き
→ 成長ホルモンの放出を促進させる
筋のタンパク質合成
○ボディメイクにおけるポイント
テストステロンを出すためには胸、背中、脚などの大きな筋肉を動かしたり、同じ部位を複数鍛えたり、8割9割ほどのパワーが出るトレーニングをすることが必要です。また、男性ホルモンと呼ばれるほどですので、女性は男性の20分の1しか分泌されないというデータがあります。
⑤エストロゲン、プロゲステロン(女性ホルモン)
○分泌される場所
→ 卵巣
○主な働き
エストロゲン(卵胞ホルモン)
→ 女性らしい体を作る
妊娠に必要な子宮の環境を整える
皮膚、骨の健康、感情、自律神経の働きに関与する
プロゲステロン(黄体ホルモン)
→ 子宮の環境を整え、妊娠しやすい状態にする
妊娠後は妊娠状態の安定化に関与する
○ボディメイクにおけるポイント
女性は生理が始まる1週間ほど前からプロゲステロンの分泌が増加します。そのため筋肉量が下がり、体脂肪率が上がってしまいます。どんなにがんばって食事制限や運動をしても体組成の数値が不安定になりますが、気にせずに通常通りのコントロールを行えば生理後にはエストロゲンの分泌が増加し数値もストンっと落ちてくれます!
⑥コルチゾール(ストレスホルモン)
○分泌される場所
→ 副腎皮質
○主な働き
→ アミノ酸を糖質へ変換する刺激(=糖新生を活発にする)
タンパク質分解酵素の増加
タンパク質合成の抑制
○ボディメイクにおけるポイント
コルチゾールは筋力を低下させるため、ボディメイクにおいてはあまり分泌させたくないホルモンです!別名ストレスホルモンとよばれるほどなので、ストレスを溜めないことが一番良いです。またテストステロン、インスリンと真逆の働きをします。コルチゾールは朝に多く分泌されるため、朝に運動をしてテストステロンやインスリンを分泌させるのも効果的です。
⑦甲状腺ホルモン
○分泌される場所
→ 甲状腺
○主な働き
→ 全身の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる
○ボディメイクメイクにおけるポイント
甲状腺ホルモンは全身の活性カを促進してくれますが、バセドウ病(甲状腺ホルモンが大量に発生する病気)や橋本病(甲状腺ホルモンが不足する病気)になってしまうと自分で代謝をコントロールできなくなってしまう恐れがあります。
最後に….
運動強度や運動時間によってエネルギーの作り方が違うことを理解することで、お客様の運動経験などに合わせたトレーニングをご案内して行くことができ、どのようなホルモンがどのような時に分泌されるのか知っておくことで食事法やトレーニングの時間、精神面までサポートすることができます。パーソナルトレーナーとして生理学を学ぶことはお客様のボディメイクをするに当たってとても大切だということがわかります。とても難しい分野ではありますが、しっかり学んでいきたいと思います!!
次回は【栄養学】についてです!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
パーソナルトレーナースクールに通学し、
プロのトレーナーとして資格取得を目指して
勉強中の瀬川実玲でした。
次回の記事もよろしくお願いします。