ダイエットの絶対条件?パーソナルトレーナーの為になる栄養学『VOL.2』

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皆様こんにちは。

パーソナルトレーナーの清瀬淳です。

今回も引き続き栄養学についてお話していこうと思います。

皆様は日々栄養について考えたりしますか?漫然に食事をしてませんか?生きていくのに欠かせない食事。毎日すこしづつでもよいので栄養素のことを考えながら食事をすると見える景色も変わってまいります。

最近少し太ってきたからこれを控えてみようとか、調子が悪いからこの食材取り入れてみようとか。どの食べ物がどのような効果をもたらすかが徐々に分かってきます。私も実際に栄養学を勉強して減量方法を実践する為に食事の制限を行いました。当然不調や悩みが出てきます。そんな時に学んだ栄養学により栄養素の調整をして改善することができました。

自分の体を自分でコントロール出来るようになると日々の生活も楽しくなっていきますよ!

それでは脂質のお話からしていこうと思います。

第二のエネルギー源?脂質の大切さ

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脂質と言えば肥満の原因となったり、コレステロールを増やしたりと余りよくない栄養素と思われています。しかし体にとって欠かせない栄養素なのです。
まず脂質の働きから説明していきます。

第二のエネルギー源・脂溶性ビタミンの吸収の促進・1gで9kcal

脂質が欠乏するとこのような症状が起こってきます。

肌荒れ・便秘・月経不順・やせすぎ・疲労感・体力の低下

その他、血管や細胞膜が弱くなり、脳出血の可能性が高まります。

また過剰摂取しますと肥満・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・動脈硬化などの症状も現れてきます。

必要摂取量は1歳以上の男女ともに1日に必要なエネルギー量の20%~30%と言われています。

脂質の種類?良い脂悪い脂

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脂にも種類があり飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に分けられます。

飽和脂肪酸の特徴は常温で固体のことが多い(ココナッツオイルのような例外もある)酸化しにくい・動物性の脂肪に多い

不飽和脂肪酸の特徴としましては常温で液体であることが多い・酸化しやすい・植物性の油に多いなどが上げられます。

また飽和脂肪酸にも種類があり、短鎖脂肪酸(バター・酢)中鎖脂肪酸(牛乳・乳製品・ココナッツオイル)長鎖脂肪酸(やし油・パーム油・牛脂・豚脂)に分かれています。

短鎖脂肪酸の特徴はカルシウム、鉄分、マグネシウムの吸収を高める・エネルギー代謝の促進・ケトン体を作り交感神経を抑制する。

中鎖脂肪酸の特徴は迅速で優れた消化吸収能力を持つことです。他の脂肪酸より早く肝臓に届きエネルギーとなるため脂肪として蓄積されにくいのです。また脂肪燃焼効果をサポート抗酸化力が強くアンチエイジングに期待できるとされています。MCTオイルがダイエットや美容に注目されている理由はこれですね。

長鎖脂肪酸は体内で固まりやすい特徴を持ち体内に蓄積しやすいと言われております。長鎖脂肪酸はブドウ糖が不足したときにエネルギーとして分解されます。ブドウ糖が減少しないと長鎖脂肪酸は体内に蓄積していきます。長鎖脂肪酸はエネルギーとして使用されない分代謝されにくいため中性脂肪になりやすいのです。摂りすぎには注意が必要ですね。

さらに不飽和脂肪酸の中にも種類がありオメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸・オメガ9脂肪酸に分かれています。

オメガ3系脂肪酸の中にはαリノレン酸・DHA・EPAがありDHAとEPAは主に生魚に含まれており、αリノレン酸はえごま油・アマニ油などに含まれております。栄養学では健康のために意識して摂るべき必須脂肪酸として位置づけられております。脂肪になりにくくダイエットに効果的な栄養素で血流改善LDLコレステロール・総コレステロールの低下HDLコレステロールが増加アレルギー抑制など幅広い効果が期待されています。

オメガ6脂肪酸の代表的な脂肪酸としてはリノール酸があります。リノール酸は人の体内でつくることができない必須脂肪酸のひとつです。血中のコレステロール濃度を下げる効果があります。植物由来の油では、コーン油、大豆油など家庭でよく使われる脂の主成分です。血中のコレステロールを下げるとありますが善玉コレステロールも下げてしまいますので摂りすぎには注意が必要です。

オメガ9系脂肪酸の代表的な脂肪酸はオレイン酸があり油から取り入れる他に体内でも合成されます。血中の善玉コレステロールはそのままで、悪玉コレステロール濃度を下げる特徴をもっております。その他酸化を抑えてアンチエイジング効果だったり、肌に含まれる脂はほとんどがオレイン酸なので美肌や美容に効果的。

また胃腸を整え便秘解消にも効果が期待されます。家庭でよく使われるオリーブオイルに含まれております。その他べに花油、なたね油にも含まれております。

また脂には人工的に作られるトランス脂肪酸という脂もあります。

トランス脂肪酸は水素添加した植物油を扱う過程で人工的に生成される副産物で、マーガリンやショートニングに多く含まれています。トランス脂肪酸を摂取しすぎると悪玉コレステロールを上昇させ、善玉コレステロールを低下させてしまいます。体内で分解されにくく蓄積してしまう傾向にあります。つまりトランス脂肪酸を過剰に摂取し続けることは身体には余計なものを溜め続けているのと同じなのです。過剰摂取で体中の中性脂肪が増加しインスリン抵抗性が増し動脈硬化を促進させ心筋梗塞狭心症といった心臓疾患糖尿病のリスクが高くなってきますので出来るだけ避けたい脂と言えますね。

脂にも良い脂、悪い脂があるのです。積極的に良い脂を摂取することで体のパフォーマンスも変わってまいります。脳の六割が脂と言われてますので認知機能にも良いとされています。私も実際に良い脂を摂取するようになってから朝すっきり起きれたり、頭の回転や体の不調がよくなりました。脂質もとても大切な栄養素ですね。

健康な体の構築!たんぱく質

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筋肉にはたんぱく質!

よく聞きますよね。確かにその通りですが筋肉だけに必要なものではなく、心と体ともども健康に過ごすのにとても重要な栄養素です。働きを見ていきましょう。

体の組織を構築・酵素やホルモンの材料になる・1gあたり4kcal

たんぱく質は私たちの身体を構成する成分のうち、水分に次いでもっとも多くを占めています。なので欠乏すると免疫力の低下・成長不良(子供の場合)・精神疾患・不眠などの症状が。また過剰に摂取すると腎臓に負担(最大でも体重×4g)

1日に必要なたんぱく質の量は体重1kg×約1g(成人の場合)体重が60kgの人なら1日に約60gのがたんぱく質を摂るのが理想ということになります。ダイエットで体を引き締めたい人や筋肥大させたい方はより多くのたんぱく質が必要になってきます。日頃から運動をしている人は、体重×約2gが理想です。スポーツや筋トレなど激しい運動を行うとたくさんの筋肉を使うのでその分、筋繊維がダメージを受けます。受けたダメージを修復するにはたんぱく質が欠かせません。たんぱく質が不足してしまうと筋肉が減ってしまうことにもつながります。だから日頃から運動する人は運動しない人よりも多くのたんぱく質が必要になってくるのです。

またたんぱく質は体だけではなく心にも関わってきます。

たんぱく質はストレスによって減っていきます。現代人はストレスが溜まりがちです。それにもかかわらず朝はパン、昼はチャーハン、おやつにスナック菓子、夜はラーメンなど手軽に食べられる糖質メインの食事方が多くみられるので意識してたんぱく質を摂取していきましょう。

生命の源アミノ酸

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たんぱく質を構成しているのはアミノ酸です。アミノ酸は生命の源とされ、自然界には500種類も存在すると言われる有機化合物です。人間の体をつくり生命を維持するのに必要なアミノ酸は20種類になってきます。

私たちが普段食べている肉、魚、穀物などのたんぱく質が20種類のアミノ酸に分解され体内で再びたんぱく質を構築していきます。

この20種類のうち11種類のアミノ酸は他のアミノ酸から体内で合成して補うことができるのですが、残る9種類は体内で合成できないので食事から摂取することが必要になってきます。

体内で合成できないアミノ酸を必須アミノ酸、合成できるアミノ酸は非必須アミノ酸と呼ばれております。

必須アミノ酸にはイソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニンフェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・バリン・ヒスチジンがあります。

非必須アミノ酸にはグリシン・アラニン・セリン・アスパラギン酸・グルタミン酸・グルタミン・アルギニン・システイン・チロシン・プロリン・アスパラギンが。

それぞれの役割を見ていきましょう。

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体を作るのにとても重要な役割を担っているのがこのアミノ酸なのです。

健康にはもちろんですが、ダイエットやボディメイクにもとても大切な栄養素だと言えます。知っておいて損はないですよね。むしろ積極的に知っていきたい内容ですよね。

たんぱく質と言ったらプロテイン!

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そうです。パーソナルトレーナーならたんぱく質の説明するのにプロテインの話は避けれません。気軽に摂取できるたんぱく質でトレーニーが愛飲していますよね。トレーニングしてない人でも現代人はたんぱく質不足気味なのでプロテインを飲むことをおすすめします。

どのような種類のプロテインがあるか見ていきましょう。

ホエイプロテイン=ヨーグルトの上澄みの部分。吸収が早く筋肉の修復効果が高いとされています。ホエイプロテインには体内合成できないため体外から摂取する必要のある必須アミノ酸が多く含まれているため、効率的に体や筋肉を大きくしたい方におすすめのプロテインです。トレーニングの直後に飲むのがおすすめです。

ソイプロテイン=大豆が原料。吸収速度はゆっくり。皮膚や骨の強化に効果的と言われています。腹持ちもよいので食事量をコントロールしたい時や間食に向いています。ソイプロテインに含まれている大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと似た作用を持ちます。そのため女性の方はソイプロテインを飲むことでホルモンバランスを整えることにつながります。また牛乳でお腹を壊しやすい人にもおすすめです。

カゼインプロテイン=牛乳由来のたんぱく質。吸収速度はゆっくり。筋肉を維持したい人やダイエットしたい人におすすめ。消化吸収が遅く満腹感があるのでダイエット中の間食や置き換えにも向いています。ゆっくり吸収されるので長時間食事を摂れない時にも体内にたんぱく質が不足する時間を少なくして筋肉が減ってしまうのを防ぐのに便利です。就寝前に飲むのがおすすめです。

プロテインにもそれぞれ特徴があるのです。筋トレにはホエイプロテイン、ダイエットにはソイプロテインやカゼインプロテインがよさそうですね。

一回に摂取量は20gから30gにしておきましょう。人間が一度に処理できるたんぱく質量の上限は40gまでとされておりそれ以上を一度にとってもたんぱく質合成量は上がらず、余分に摂取したタンパク質を無駄にしてしまう可能性があるからです。また摂取のしすぎは腎臓に負担を与えてしまうので。

私は普段の食事で一日に必要なたんぱく質を摂っているときはほとんどプロテインは飲みませんでした。あくまで足りないものを補うサプリメントなので食事でとるのが望ましいと私は考えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

炭水化物に続き脂質とたんぱく質も体を作るのにとても大切な栄養素なのです。どれかが欠けると不調がでやすくなります。

栄養学が身につくとどの食材が今の自分に必要なのか見えてきます。またクライアント様に必要な栄養素もしかりです。この栄養学を学ぶことで自分にもクライアント様にも自己流ではなく学術的に正しい案内をすることができます。

この栄養学を駆使して次回は、今話題のケトジェニックダイエットについて書きたいと考えております。

次回もケトジェニックダイエットとは?に続く!

清瀬淳

コラムを書いた人
清瀬淳

トレーナーズラボ第8期生の清瀬淳です。

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