パーソナルトレーナーと生理学の関係性についてVOL.2

こんにちは、tomoyaです。今回は、前回のお話の延長線のような生理学についてVOL.2という事でお話ししていきたいと思います。 では、さっそく参りましょう。

7.糖新生                  8.インスリン                                        9.グルカゴン                10.成長ホルモン              11.テストステロン              12.エストロゲン・プロゲステロン      13.コルチゾール              14.甲状腺ホルモン

7.糖新生

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糖新生とは、動物が飢餓状態において、脂質やアミノ酸など糖質以外の物質からグルコースを合成する代謝経路のことで、肝臓や腎臓で行われます。糖新生は飢餓状態において行われますが、糖新生を行う酵素がグルカゴン(血糖値をあげるホルモン)のシグナルによって合成されるからです。

飢餓状態において血糖値が低下するとグルコースの脳への供給が不足します。
脳やミトコンドリアを持たない細胞(赤血球や角膜)はグルコースを唯一のエネルギー源とするので、血糖値の低下は、生体にとって致命的な影響を及ぼすことになります。そのため、低血糖の時には、肝臓での糖新生によって血糖値を維持する仕組みが出来ています。飢餓の時には「ケトン体」も脳のエネルギー源となります。

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8.インスリン

インスリンは、簡単に言うと、血糖値を下げる唯一のホルモンです。そして、筋肉をつけていく際には重要なホルモンのひとつです。筋肉に必要な材料となるアミノ酸を届けるのは、インスリンの働きが鍵となります。糖質の食べ物を食べることにより、体の中に吸収されて、ブドウ糖となり血液中に流れていきます。血糖値が上がった状態を脳が検知することで、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞からインスリンを分泌します。このインスリンがブドウ糖を取り、体内に入れていきます。そうすることで、血液中からブドウ糖が無くなり、血糖値が下がったという状態になります。この時、インスリンはブドウ糖を体内に取り込む過程で一緒に筋肉の材料となるアミノ酸も体内に取り入れていきます。ですので、インスリンがないと体内に入る事が出来ないです。ブドウ糖は体内のエネルギー源で、アミノ酸は筋肉を作る材料となるので、インスリンはとても重要な働きをしています。

9.グルカゴン

グルカゴンは、インスリンとは逆の働きで、血糖値を上げる働きがあります。主に膵臓のランゲルハンス島のα細胞や消化管から分泌されます。グルカゴンは、ブドウ糖を作ることで血糖値を上げるように働きます。作られたブドウ糖は、空腹時や寝ている時、運動している時に使われていきます。このようにして、グルカゴンは血糖が体から無くならないように体を守っています。ダイエットやボディメイクをしている時は、低血糖になりやすくなるため、体が血糖をコントロールするため糖新生を誘発しやすくなります。そうすると、筋の分解が起こりやすい状態になります。

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10.成長ホルモン

成長ホルモンは、脳下垂体前葉から分泌されるホルモンです。成長ホルモンや副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモンなど、さまざまなホルモンを分泌している器官で、「ホルモンの指令塔」ともいわれています。

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成長ホルモンは、タンパク質から出来ていて、191個アミノ酸から成長ホルモンは構成されています。骨や筋肉の成長を促進、代謝や脂肪分解を促進、タンパク質の合成促進など様々な作用があります。成長ホルモンは、睡眠時に沢山の分泌が行われます。起きている時には、食後の2〜3時間後に分泌が活発になります。

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11.テストステロン

テストステロンは、男性ホルモンの一種で、男性は精巣でつくられ、最も分泌量が多く強い作用をもちます。女性は、卵巣と副腎から分泌されます。テストステロンは、筋肉や骨の形成を促し、生殖機能にも大きな役割を果たす大切なホルモンで、日々のバイタリティーやモチベーション、心身の健康維持にも重要な役割を担っているものです。また、成長ホルモンの放出を促進もします。他にはストレス処理を促し精神の安定を保つことや幸福感もたらすドーパミンの産生や集中力、記憶力の向上。また身体面でも血管を若く保つ働きをもち生活習慣病のリスクを下げたりとを心身の健康に関わる重要なものです。

12.エストロゲン・プロゲステロン

たくさんの種類があるホルモンの中で、女性の卵巣でつくられているのが「女性ホルモン」です。女性ホルモンは、妊娠や出産の機能、そのためのカラダづくりという役割をもっています。女性ホルモンには2種類があります。エストロゲン(卵胞)ホルモンとプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。エストロゲンは、妊娠の準備、女性らしいカラダづくり、プロゲステロンは妊娠の維持といった役割をもっています。エストロゲンは、月経~排卵の間(卵胞期)に分泌量が増加し、プロゲステロンは排卵~次の月経までの間(黄体期)に分泌量が増加します。月経は微妙なホルモンバランスの上に成り立っていて、心身に不調や悩みを抱えているだけでも月経周期に変化があらわれる場合があります。

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13.コルチゾール

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コルチゾールとは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種です。心身がストレスを受けると、急激に分泌が増えることから、別名ストレスホルモンとも呼ばれています。

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コルチゾールの分泌は、免疫系、中枢神経系、代謝系など、身体のさまざまな機能に影響を及ぼします。また、アミノ酸を糖質へ変換する刺激やタンパク質分解酵素の増加、タンパク質合成の抑制などがあります。コルチゾールは、主に長時間の運動や過度な空腹、睡眠不足、早朝、高血圧などによって分泌されます。体に悪い事だらけという印象もありますが、体にとっての作用には必要不可欠な要素もあります。外からの病原菌から体を守るための免疫物質の材料になったり、ブドウ糖や脂質を熱エネルギーに変換する指令を出すもとにもなります。

14.甲状腺ホルモン

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甲状腺ホルモン とは、甲状腺から分泌され、一般に全身の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる働きをもつ、アミノ酸誘導体のホルモンのことです。作用は、熱産生を増加させる、血糖値の上昇、血中のコレステロール値低下、骨格筋でのタンパク質異化促進、心機能亢進(心拍数増加、心収縮力増加)、身体の発育などがあります。

VOL.1.2で生理学の簡単な部分ですが勉強してみて、人間の体は生きるために様々な働きがある事を改めて学びました。パーソナルトレーナーとして活動する必要な情報であり、知識だと再確認するとともに、パーソナルトレーナーと生理学は深く結びついていると感じました。この知識を理解する事で、ダイエットや筋肉をつけていくことのボディメイクの近道になると思います。より一層知識を深めていきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございます。 

矢部智也

コラムを書いた人
矢部智也

トレーナーズラボ第4期生の矢部智也です。