パーソナルトレーナーが教える生理学『VOL.2』

皆さんこんにちは!
今回も前回に続いて生理学について解説していきます!
生理学はボディーメイクにとって必須の知識です。例えば今巷で話題になっているケトジェニックダイエットで考えてみます。糖質制限をして、エネルギー源を糖質から脂質で作られるケトン体に変えていくダイエット法です。これから詳しく解説していきますが、糖質は効率の良いエネルギー源です。しかし、ケトジェニックダイエット時では、エネルギー源はケトン体です。ケトン体は酸化機構なので効率があまり良くないです。なので、そこで激しい筋トレを行なうと筋肉などを分解して糖を作り出そうと(糖新生)しやすくなります。なのでケトジェニック中に激しい筋トレを行なうと逆に筋肉が落ちてしまう可能性があります。なので、このような例からも生理学の知識がいかにボディーメイク時に必要になってくるかが簡単にでもお分かりいただけたかと思います。では解説していきます!


目次
1.糖新生とは
2.ATPとは
3.エネルギー産生機構〜ホスファゲン機構
4.エネルギー産生機構〜解糖系機構
5.エネルギー産生機構〜酸化機構
6.生理学を勉強した感想
7.まとめ


1.糖新生とは
糖新生とは、人間の体内(肝臓)で行われているブドウ糖(グルコース)を生成する機能の事です。
人間の体にはタンパク質や脂質に由来する物質(ピルビン酸、乳酸、糖原性アミノ酸、グリセロールなど)からブドウ糖を生成する機能が備わっており、これによって人間の血糖値は常に適正な範囲内でコントロールされているのです。
血糖値が下がると(血中のブドウ糖濃度が下がると)体内では糖新生を活発化させて血糖値を上昇させる作用が働きますし、逆に血糖値が高い状態であれば糖新生は抑制されてそれ以上血糖値が上がらないように作用します。


2.ATPとは
筋肉の収縮など生命活動で利用されるエネルギーの貯蔵・利用にかかわる。
「生体のエネルギー通貨」と呼ばれる。
アデノシン三リン酸(ATP)は、アデノシンという物質に3つのリン酸基(P)が結合しています。
ATP分解酵素の働きによってATPが加水分解すると、ひとつのリン酸基(P)がはずれてADP(アデノシン二リン酸)になり、その際にエネルギーを放出します。このエネルギーを使って筋の収縮が行われます。
筋繊維の中に蓄えられているATPの量はわずかなので、激しい運動では短時間で使い果たしてしまいます。したがって長時間運動を続けるには、ADPからATPを再合成してATPを供給し続けなければなりません。


3.エネルギー産生機構〜ホスファゲン機構
ATPへの再合成に、体内に蓄えたクレアチンリン酸(CP)が使われる代謝機構です。
クレアチンリン酸とは、クレアチンにリン酸が1つ結合したものです。このクレアチンリン酸から、リン酸を取ってADPに供給することで、ATPへの再合成が行われます。短時間で非常に強度の高い運動をする際に使われる代謝機構です。
短距離走や1~5RM強度のトレーニングなどがこれに当たります。
クレアチンリン酸の備蓄量に限りがあるため、0~6秒程度しか持続することができません。


4.エネルギー産生機構〜解糖系
解糖系は筋肉に蓄えられたグリコーゲンあるいは血中に運ばれたグルコースといった炭水化物を分解しATPを産生します
ホスファゲン機構ではクレアチンリン酸を用いていたのに対して解糖系ではグルコースが産生源なんです
解糖系により供給されるATPは2分間程度以上続く激しい運動で、ホスファゲン機構を補う形で発現します。
この解糖系は速い解糖と遅い解糖が存在します

5.エネルギー産生機構〜酸化機構
最後は酸化機構です。有酸素性機構なんていうふうにも言われます
これは安静時や有酸素性運動中の主要なATPの産生方法です
特徴として主に炭水化物と脂質を用いてATPを産生します
例えばジョギングや水泳ランニングなどではこの機構でATPを供給しています
この酸化機構では安静時にはATPの70%が脂質から30%は炭水化物から供給されます
運動強度が上がるにつれて脂質から炭水化物へと変化し、飢餓状態や90分を超えるような長時間の運動ではタンパク質が代謝されます


6.生理学を勉強した感想
とても興味深い学問だと思いました。さらに勉強していきたいと思いました。


7.まとめ
いかがでしたでしょうか?
生理学は今回で以上となります!
是非ボディーメイクする時にここで得た知識を取り入れてみて下さい!
次回は栄養学について解説します!

小川太一

コラムを書いた人
小川太一

トレーナーズラボ第17期生の小川太一です。

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