コラムを書いた人
高橋昌也
トレーナーズラボ第4期生の高橋昌也です。
みなさん!いいトレーニングライフ過ごしてますか?
さて、みなさんに聞きたいことがあります!
パーソナルトレーナーに生理学は必要でしょうか?
必要だ!必要じゃない!そもそも生理学って何?という方が多いと思います。
これは、私自身が鍼灸マッサージ師としての経験もあります。人の身体を変えるということは身体の中で何が行われているか。そして、身体のスペシャリストとしては無知ではいられないというのが、大きな理由です。
それでは、今回は生理学の代謝やエネルギーに関して話をさせていただきます。
まず、物質代謝とは何か説明させていただきます。
・物質代謝
→同化や異化の過程で、種々の物質を作り出し、またエネルギーを放出することをいう。
・同化
→細胞の成長・増殖に際してタンパク質などが新しく合成される。その為、細胞はたえず材料となる物質を取り入れ、新しい物質を合成すること。
・異化
→細胞内で種々の物質が分解されエネルギーが放出される。その際、分解産物・老廃物が排出されること。
*異化作用でエネルギーを取り出す材料に使われるのは主に糖質と脂質。タンパク質は飢餓時などの場合のみ使われる。
・ATP
→異化作用により、三大栄養素から作られたエネルギー体のこと。
DNAの塩基であるアデニンと糖の一つで五炭糖のリボースから構成されるアデノシンと3つのリン酸が高エネルギーリン酸結合を持つエネルギー体で生物体の反応過程に使用される。
ATPを合成、供給する物質があります。
・ミトコンドリア
→ATPを大量に合成・供給する物質で、内外2枚の膜からなる棒状の小器官でクリステ(内板)と呼ばれるヒダを作る。ATPを作成するのはマトリックスと呼ばれるところである。
・ホスファゲン機構
→強度に関わらずに全ての運動開始時に動員され、ATPとクレアチンリン酸を使用する。
継続的に筋活動を行うためにはATPの供給(再合成)が必要で、ホスファゲン=エネルギーを蓄えているリン酸の総称なので、この2つは関わっています。
ホスファゲン機構のATP作成内容
運動継続時間 0〜30秒
運動強度 非常にきつい、かなりきつい
ATP産生能力 最も少ない
ATP産生速度 最も速い
・ATPを再合成の仕組みについて
ATP+クレアチン⇄ADP+クレアチンリン酸
↑酵素
*酵素=クレアチンキナーゼ
運動時はATPが分解されADPが増えて、ADPがクレアチンリン酸から受け取ってATPに再合成されることをローマン反応という。
解糖系機構について
・解糖系機構
=細胞質内で酵素の働きによって、ピルビン酸となる。酸素(O2)を必要としない機構
解糖では酸素は使われず二酸化炭素も発生しない。ピルビン酸はミトコンドリアの中に取り込まれ、アセチルコエンザイムAとなりクエン酸回路に入る。
6秒間〜2分間の継続的な運動を行うと、血中乳酸濃度が上昇すると成長ホルモンが脳下垂体前葉より分泌されて、体脂肪燃焼が促進される。
(速い解糖)=乳酸への変換でATP生産
炭水化物→グルコース→ピルビン酸⇄乳酸
(速い解糖)→乳酸への変換でATP生産
炭水化物→グルコース→ピルビン酸⇄乳酸
(酸化機構=遅い解糖)→ミトコンドリアの輸送でATPを生産
炭水化物→グルコース→ピルビン酸→ミトコンドリアの輸送
酸化機構について
・酸化機構
=低強度の運動、3分以上の運動や安静時にATPを供給する機構で、炭水化物→脂質→タンパク質の順で利用される。
ATPが生産される安静時は70%は脂質、30%は糖質から得ている。基礎代謝が高いと脂質減少に有効できる。
糖新生について
糖新生とは→糖以外の物質から糖を生成する経路
○トリグリセリド=中性脂肪
○赤血球、筋肉=乳酸
○筋肉=アミノ酸
タンパク質の代謝は長期の飢餓、90分以上の運動で代謝される。
トレーニングをするにおいて身体が資本なのは当たり前ですが、さらに身体の構造や仕組み栄養素の吸収や分解などがあって勉強する量が多く驚くと思います。ですが私達パーソナルトレーナーを頼ってくれるゲストの為にしっかりとした知識を身体のスペシャリストとして提供するのも、パーソナルトレーナーの仕事ではないのでしょうか。