パーソナルトレーナーが語る、ホルモン作用やホルモン分泌について (パーソナルトレーナー 資格 高橋昌也)

前回のVOL.1の続きで今度は運動に関わるホルモンとホルモンが活動するためのエネルギーの消費の役割を説明できたらと思います!目次生理学を学んだ後にケトジェニック(糖質制限)を行うと効果があるか?#6 糖新生とは#7 運動強度、運動持続時間について#8 ホルモンとは何か#9 ボディメイクに関わるホルモン(成長ホルモン)#10 ボディメイクに関わるホルモン(インスリン、グルカゴン)#11 ボディメイクに関わるホルモン(甲状腺ホルモン)#12 ボディメイクに関わるホルモン(コルチゾール)#13 ボディメイクに関わるホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)あとがき


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パーソナルトレーナーが知るべき生理学VOL.2

前回のVOL.1の続きで今度は運動に関わるホルモンとホルモンが活動するためのエネルギーの消費の役割を説明できたらと思います!

生理学を学んだ後にケトジェニック(糖質制限)を行うと効果があるか?

・私の意見は効果が出るのには個人差があると思います。

生理学を勉強していても、個人の身体の仕組みが皆平等かというと、そうではないと思います。

例えば、1型糖尿病を持っている方、低身長症、巨人症などの方々がいます。この方達の共通点はホルモンの影響があるということです。

その中でもパーソナルトレーナーを行うにあたって皆平等に同じことをやっても意味がないです。

知らなければならない症状、状態もあります。

まずはホルモンの作用、分泌調節、そもそもホルモンとは何かということについても説明させてください。

#6    糖新生とは

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前回も説明をしましたが、もう一度復習していきましょう。

糖新生とは→糖以外の物質から糖を生成する経路
○トリグリセリド=中性脂肪
○赤血球、筋肉=乳酸
○筋肉=アミノ酸

タンパク質の代謝は長期の飢餓、90分以上の運動で代謝される。

ここまでが前回の内容の後半部分でした!

#7    運動強度、運動持続時間について

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この表を見ると、上の表はホスファゲン機構は運動強度は非常に厳しい(きつい)、継続時間は0〜6秒でホスファゲン機構が働くということになります。

下の表はエネルギー機構によるATPの産生量と産生速度を表してます。先ほどのホスファゲン機構では、

産生速度は1(最も速い)、産生能(産生量)は5(最も少ない)となります。

つまり運動時に使用される基質・エネルギー機構の決定は、

1番は運動強度であり、その次には継続時間が重要

ということになります。

#8    ホルモンとは何か

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・ホルモンとは、内分泌腺にある内分泌細胞から直接血液中に分泌され、血液循環を介してホルモンに対する受容体を持つ特定の細胞(標的細胞)に達し、微量で特異的な効果を及ぼす物質をいう。

内分泌腺には、膵臓、副腎、卵巣、精巣、松果体などがある。視床下部のある種の神経細胞もホルモンを分泌する。

構造の違いで三種類のホルモンがある。

・ペプチドホルモン→大多数のホルモンが属する数個から数百個のアミノ酸からなるペプチド(水溶性)でペプチド結合から構成されるホルモン

・ステロイドホルモン
→副腎皮質ホルモン、性ホルモン

ステロイド核を持つ脂溶性のホルモンでコレステロールから生成される。

・アミン類
→甲状腺ホルモン(サイロキシン)、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン)松果体(メラトニン)、セロトニン

アミノ酸より生成されるホルモンで、カテコールアミン(水溶性)と甲状腺ホルモン(脂溶性)などがある。

作用機序
・水溶性ホルモン(細胞膜受容体)
ペプチドホルモン、カテコールアミン→受容体→細胞内へ→セカンドメッセンジャー→生理作用を発現

※セカンドメッセンジャー
細胞内において情報伝達物質が受容体に結合すると新たに別の情報伝達物質が作られ、細胞の代謝や変化に影響を及ぼす。二次的に産生される情報伝達物質のことをいう。

・脂溶性ホルモン(細胞内受容体)
ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン→細胞膜を通過→細胞内受容体と結合→核内へ入る→DNAに作用mRNA→特定タンパク質合成→生理作用を発現


#9    ボディメイクに関わるホルモン(成長ホルモン)

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成長ホルモンは下垂体前葉(腺下垂体)から分泌される。標的細胞に対して、直接あるいは肝臓などから分泌される。IGF-1(インスリン様成長因子-1=ソマトメジン)を介して作用する。

血中乳酸濃度の上昇を感知して分泌が促されるため、解糖系機構(速い解糖)での運動に反応しやすい。

10RM×3セット 休憩 1分

効果 ・骨端での軟骨形成促進
・タンパク質合成促進
・血糖値上昇
・脂肪酸の遊離
・脂肪細胞から脂肪酸の放出を刺激
・体脂肪の減少を伴う除脂肪体重の増加

その他、22時〜翌2時で分泌上昇されるため、早めの就寝が体脂肪減少・疲労回復に役立つ。

#10     ボディメイクに関わるホルモン(インスリン、グルカゴン)

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インスリンとグルカゴンは膵臓の内分泌細胞から分泌されるホルモン。
インスリン→β細胞から分泌
グルカゴン→α細胞から分泌

・インスリン
β細胞から分泌される。主に血糖値の変動によって直接的に調節され、血糖が上昇すると分泌が促される。一部、神経性調節(迷走神経により分泌促進)もある。

インスリンは様々な生理作用がある。
・糖代謝→血中のブドウ糖を取り込みを促進し、グルコースをグリコーゲンに変換し血糖値を下げる
・タンパク質代謝→アミノ酸の細胞内への取り込みを促し、タンパク質合成を促進する。

・脂肪代謝→グルコースの脂肪への変換を促す。また、脂肪分解を抑制する。

インスリンは同化ホルモンで、筋の合成に最も強く働くとされていて、バルクアップ時期ではインスリンを活用するため糖質摂取の調整が必要となる。
・インスリン抵抗性、感受性→分泌されているが効きが弱くなる
→減量するにはインスリンの感受性を高めるためにケトジェニック(糖質制限)から行う。

・グルカゴン
α細胞から分泌される。
・分泌促進
低血糖、アルギニン(アミノ酸)、成長ホルモン、サイロキシン、ガストリン、コレシストキニン、迷走神経

・分泌抑制
遊離脂肪酸、インスリン、セクレチン、ソマトスタチン

作用
・肝臓の脂肪分解を促して、血中遊離脂肪酸を増加させる
・肝臓においてグリコーゲンからグルコースの分解、糖新生を促して血糖値を上昇させる。
・肝臓でのタンパク質分解亢進、遊離したアミノ酸の多くは糖新生の材料となり血糖供給に寄与する。

血糖調節
血中のグルコース濃度(血糖値)は100mg/dl(70〜110)に維持されている。
正常レベルより上昇→インスリン分泌増加
血糖値低下
正常レベルより低下→グルカゴン分泌増加
血糖値上昇

ボディメイクで、筋の分解は最小限に抑えなければならないので、小まめに食事を行う必要がある。

#11     ボディメイクに関わるホルモン(甲状腺ホルモン)

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甲状腺ホルモンは甲状軟骨の下の気管の前面に気管を取り囲む様に付着した約20gの甲状腺から分泌される。主にT4が分泌され、T3の多くは末梢組織で、T4から産生される。
T4は1分子中に4つのヨウ素原子を含み、T3は3つのヨウ素原子を含む。

濾胞細胞=サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)
傍濾胞細胞=カルシトニン

分泌調節
視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)分泌で促進され、下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により分泌される。
血中の甲状腺ホルモン濃度が、正常値より高まるとTSHやTRHの分泌が抑制され甲状腺ホルモン濃度が正常に戻る。(負のフィードバック)

寒冷時には甲状腺ホルモンの分泌が増加する。

作用
・多くの臓器の酸素消費を高め、基礎代謝を亢進=代謝熱増大→体温上昇、血糖値上昇

心収縮力増強、心拍数上昇
筋力維持、強化
血中脂質の低減

・骨、歯の発育促進(成長ホルモンの補助)
中枢神経細胞の発育促進

許容作用=他のホルモンの分泌や作用に相加的、相乗的な影響を及ぼす。

#12     ボディメイクに関わるホルモン(コルチゾール)

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コルチゾールは副腎皮質の束状層から分泌される糖代謝の作用が強いステロイドホルモン

分泌調節
下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)により生成、分泌促進される。
視床下部や下垂体前葉に作用し、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、ACTHの分泌を抑制する。
種々のストレス刺激はCRH-ACTH系を介して糖質コルチコイドの分泌を促す→血糖値上昇

作用
・抗炎症、抗アレルギー作用
※運動後の血中コルチゾール濃度の急上昇は急性炎症反応が起きている証拠

・抗ショック作用、ストレス刺激に対する抵抗力を高める作用
※長期過剰分泌で免疫機能の低下や不妊をもたらす

・タンパク質合成の抑制
・タンパク質分解酵素の増加

・肝臓での糖新生の促進→血圧上昇、血糖値上昇
許容作用=カテコールアミンの脂肪分解作用や血圧上昇作用などの発現、グルカゴンによる糖新生に少量必要
・typeⅡ線維による強力な異化作用→筋力低下

#13    ボディメイクに関わるホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)

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女性ホルモンには、卵巣から分泌されるホルモンでエストロゲン、プロゲステロンがある。

卵巣
→皮質 卵胞(原始卵胞、グラーフ卵胞など)と黄体
卵胞からはエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌。
黄体からはプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌

→髄質 血管組織で占められる。

分泌調節
エストロゲンの分泌は下垂体前葉から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)
プロゲステロンの分泌は下垂体前葉からの黄体形成ホルモン(LH)により刺激される。
→FSHとLH分泌は視床下部ホルモンである性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)によって刺激される。
→卵巣から血中に分泌されたエストロゲンやプロゲステロンは、視床下部のGnRH及び下垂体前葉のFSHとLHに対して負のフィードバック調整を行う。

排卵の約36時間前には、血中エストロゲンが急激に増加し、プロゲステロンの存在下で正のフィードバック調節によりLHの一過性の増加(LHサージ)を起こす。

作用
エストロゲン=排卵前に分泌増加
卵胞発育促進
・乳腺の発育促進
・性欲亢進
卵管運動を高め、卵子の子宮腔への輸送を助ける
・女性の第二次性徴の発現(乳房の発達、骨格の女性化、皮下脂肪の沈着)

プロゲステロン=排卵後に分泌増加
・排卵抑制
体温上昇作用
・受精卵の着床を容易にし、妊娠の維持をする。(子宮粘膜の腺分泌亢進)
・乳腺の発育促進

女性は生理が始まる約1週間から気持ちの低下が起こりやすくなる。体組成計の測定値が筋肉量が低下し、体脂肪率が上昇する数値が出やすいが、生理が終わると生理前の数値に戻る。

あとがき

ホルモンバランスの変化は、男性でも特に女性は難しいと思います。その中でボディメイクに関わるホルモンでも、心理的な面にも関わるということがあるということを知っていただけたらと思います。
来てくれた方にしっかりとホルモンの仕組み、ホルモンバランスによる身体の内部の環境を説明できて、セルフケアもできるようになったら私は嬉しいです!

それでは、良いトレーニングライフを過ごしていきましょう!

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
パーソナルトレーナースクールに通学し、プロのトレーナーとして資格取得を目指して勉強中の高橋昌也でした。
次回の記事もよろしくお願いします。

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記事の担当者:高橋昌也

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