ダイエットやボディメイクに関わるパーソナルトレーナーにとって重要な生理学についてVOL.1

こんにちは😊植松雅美です

筋トレや有酸素運動、ストレッチ、ヨガなど様々な運動によって、身体にどのような変化や仕組みが起こるのかを理解する事が、ダイエットやボディメイクに深く関わる、パーソナルトレーナーには必要です!

ですので、今回の記事では生理学について書いてみました

目次

代謝とは

代謝が良い、悪いとか、新陳代謝とか、基礎代謝とか言いますよね?では「代謝って何?」と改めて聞かれると・・・「うーん???」となってしまいませんか?

代謝とは、簡単に説明すると、
古い細胞が破壊され、新しい細胞が作られる事です
身体は常に代謝によって入れ替わっています!

そして、代謝は同化と異化いう物に分けられています


同化と異化


同化とは、くっついて(化合して)同じ物になる事

異化とは、離れて(分解して)異なる物になる事

です!
なんだか、分かるような分からないような・・という感じですかね

料理に例えてみます!

バラバラの挽肉をまとめて、餃子にするのが同化
餃子の中身を、バラバラの挽肉にするのが異化
です!(笑)

バラバラの物を無理矢理くっつけようとするので、エネルギーが必要になります。エネルギーを餃子で例えるなら、皮の部分ですね。皮がないとバラバラになっちゃいますよね。同化にはエネルギーが必要なのです

そして、餃子の具をバラバラにすると(異化すると)、皮(エネルギー)が不要になりますね
ようするに、異化の時にはエネルギーが放出されるという事です

人間の体、特に筋肉で同化、異化についてお話すると、
筋肉が合成する(増える)のが同化(アナボリック)
筋肉が分解する(減る)のが異化(カタボリック)

です

そして、このエネルギーの受け渡しを担っているのが
ATP(アデノシン三リン酸)
という物になります

餃子の話がトレーニングにどう関係しているのかというと、
いや・・餃子の話ではありません、同化と異化がどう関係しているのか?です

トレーニング自体は身体に対してストレスを与えているので、異化(筋肉が減る)が進みます。これを抑える為に、トレーニング後にプロテインや、消化吸収の早い、糖質やたんぱく質を摂る事で、異化を最小限に抑える事が可能です

しっかりと栄養補給をする事で、筋肉の同化(増える)が進みます
(同化にはエネルギーが必要でしたものね!)

ですから、「痩せたいから食べるのもグッと控えて、運動は沢山しよう!」となると、

筋肉の同化(アナボリック)ではなく、筋肉が異化(カタボリック)して、筋肉が減り、基礎代謝量は落ち、「太りやすく痩せにくい身体」になってしまいます

これは最悪です!!怖いですね、絶対に避けたいですね!!

ですので、ダイエット中も極端な食事制限をするのもお勧めしませんし、トレーニング後はすみやかに栄養補給しましょう😊


ATPとは

次は、エネルギーの受け渡しを担っている、ATPについてです

空腹状態では身体は動きませんよね
動く時にはエネルギーが必要です。でも食べ物が実際に筋肉を動かしている訳ではなく、実際に身体を動かしているのはATP(アデノシン三リン酸)という物質が働いてくれているのです

人間・・いや、ATPは全ての生物が持っている物質です
生物って不思議なメカニズムがありますね!

ATPは炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素が異化した事によって作られます

ATPは、アデノシンと3つのリン酸という意味なのですが、リン酸を1つ離した時に、エネルギー(パワー)が出ます
これで身体を動かしたり、身体を温める事も出来ます

そして、リン酸を1つ離した状態を、ADP(アデノシン二(2)リン酸)と言います

ATPがたくさん体内にあれば身体をどんどん動かせるのですが、ATPは作り置きが出来ず、体内に保存しておくのが難しい為、常に体内で色々な機構を使って、作り続けないとなりません

身体を動かす1番のエネルギーであるATPが、何から、どうやって出来ているのか、どんな条件で作られるのかを理解出来ていれば、「トレーニング中に高いパフォーマンスを発揮したい!重たい物を挙げてみたい!」と思っている、トレーニング民にとっては有利ですよね!

ATPの産生方法が3つあるので、ご紹介させて下さい


ATPの産生方法①ホスファゲン機構

画像

筋トレの時、1回だけ重たい物を持ちあげるような種目の時や、やり投げ、砲丸投げのような、瞬発的な力を発揮する時に使われる機構です

運動時間にすると、0~30秒間の非常にキツイ~かなりキツイ運動強度の時に使われます

ATPから1つリン酸を離した時にエネルギー(パワー)が出て、ADPとなるのですが、

面白い事に、ADPが増えてくると、肝臓からクレアチンリン酸が出て、ADPに、リンを1つくれて、またATPになります
そして、また1つリン酸を離してADPにしてエネルギーを出し、またリンをくっつけてATPにして、また1つリン酸を離して・・・と、繰り返していきます

ホスファゲン機構は、大きなエネルギーが発揮出来て、素晴らしいのですがデメリットがあります。それはクレアチンリン酸の貯蔵には限界があるので、持続的なエネルギー供給が難しい点です

このデメリットが無ければ、重たい重量のウエイトを何度も挙げる事が出来るのですけどね(笑)それは難しいですものね


ATPの産生方法②解糖系(速い解糖、遅い解糖)

短い時間の運動であれば、ホスファゲン機構で十分にATPを再供給できるのですが、時間が長くなってくると、クレアチンの貯蔵量に限界がきてしまって、解糖系で補おうとしてきます

速い解糖の運動時間は6秒~2分間、運動強度は、かなりきつい~きつい時に使われます

遅い解糖の場合は2分~3分間で、普通程度の運動強度で使われます

この解糖系というのが、
グリコーゲン(筋肉と肝臓に貯蔵された糖の事)、
グルコース(炭水化物が分解されて、血の中にある糖質、血糖の事)
をエネルギー源とするATPの供給機構です

グリコーゲンやグルコースをピルビン酸という物に変換し、速い解糖であれば、ピルビン酸を乳酸に変化させます
(※乳酸が溜まるようなトレーニングをすると、成長ホルモンが出て、体脂肪の燃焼が促進されます(喜!))

遅い解糖であれば、ピルビン酸はTCA回路(別名・クエン酸回路、クレブス回路)という所にいって、ATPの再合成が行われます


ATPの産生方法③酸化機構

画像

身体の中で一番良く使われるエネルギー供給機構です

安静(座位)にしている時や有酸素運動など、少ないエネルギー出力を、継続して出していく時、主に炭水化物と脂質の2つ、そしてたんぱく質がエネルギー源として使われます

3分以上の運動で、強度は軽い物の時に使われます

寝ている時、安静にしている時は脂質が70%、炭水化物が30%を原料として使われる為、筋肉量が多く、基礎代謝が高いと、脂質(体脂肪)の減少に有利になります

低強度の運動の時は炭水化物から使われます。次に脂質、たんぱく質の順番で利用されます
徐々に強度が上がって、使われる脂質が減って、炭水化物が増えていき、増えきった時が解糖系にあたります


まとめ

3つのATP産生方法を上記にまとめてみましたが、
エネルギー出力、いかに重たい物を効率よく持ち挙げられるか・・という事だけを考えると、

筋トレの時には、最初にホスファゲン機構、次に速い解糖、そして遅い解糖とやっていった方が効率は良さそうですね!

という事は・・・
1セット目はトレーニングの中で一番重たくて、少ないレップ数が「効率的には」良さそうです

トレーニングプログラムを立てる上でも、生理学を知る事で役に立ちますね😊

次回は糖新生と、ボディメイクに関わるホルモンについての記事となります!

今回も長い記事をご覧になって頂きまして、ありがとうございました
次回もよろしくお願い致します
植松雅美でした

小川太一

コラムを書いた人
小川太一

トレーナーズラボ第17期生の小川太一です。

instagram

小川太一の記事一覧