パーソナルトレーナーに生理学の知識って必要ある?【vol.2】

前回はATPの作り方を中心に紹介しました。

今回は、生理学を学習した後に
ケトジェニックダイエットをした方が効果があるのか。について生理学の知識と一緒に紹介していきます!

まず、結論から申し上げますと

生理学を学習した後にケトジェニックダイエットを
した方が効果は、、、

大いにあります!

ちょっと待って!
そもそもケトジェニックダイエットとは…??

目次

  1. 【1.ケトジェニックダイエットとは】
  2. 【2.糖新生】
  3. 【3.ホルモンとは?】
  4. 【4.ボディメイクに深く関わるホルモン】
  5. ①成長ホルモン
  6. ②テストステロン
  7. ③コルチゾール 
  8. ④インスリン
  9. ⑤グルカゴン
  10. ⑥エストロゲン・プロゲステロン

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【1.ケトジェニックダイエットとは】

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簡単に言うとケトジェニックダイエットとは

食事で、脂質を多く、炭水化物(糖)を少なく摂取するダイエットのことです!

普段は体の中でエネルギーに
使っていますが
ケトジェニックダイエットをすることで
体の中の糖が枯渇し、脂質をエネルギーにすること
体脂肪の燃焼が促されるのです!

この状態のことを「ケトーシス」と言います。

脂質をエネルギーにすると言っても
脂質からすぐにエネルギーに変換される訳では
ありません。🙅‍♂️


では、どういうメカニズムになっているのか…

【2.糖新生】

実は、

脂質や筋肉といった糖以外の物質から
糖を作ることができる
のです!

この経路のことを「糖新生」と言います。

糖新生は
長期の飢餓状態、90分以上の運動で促進され、
筋分解を引き起こすため、
タンパク質(アミノ酸)の摂取が必須になります!

糖新生は、とあるホルモンの影響によって起こります。


ホルモンとは…???

【3.ホルモンとは?】

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ホルモンとは
体の健康維持のため様々な機能を調節する化学物質
です。

どこで作られているかというと
内分泌腺」という細胞で作られています。

「内分泌腺」には、
脳下垂体、甲状腺、副甲状腺、副じん、
すい臓、生殖腺などがあり、
それぞれに異なる働きのホルモンが作られています。

ホルモンは血液によって全身に送られ、
消化吸収、呼吸、代謝、循環、免疫などの
身体の様々な働きをしています。

【4.ボディメイクに深く関わるホルモン】

現在、体の中には100種類以上のホルモンが
見つかっていますが、
今回は
特にボディメイクを行う上で知っておきたい
ホルモンを5つ
ご紹介します!

①成長ホルモン

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体にある物質を
エネルギーとして使えるような物質に
変えていく働き(代謝)
を持つホルモンです。

血中の乳酸濃度が上がる脳の下垂体から分泌され、
体脂肪燃焼に働きます。

乳酸濃度を上げるには
無酸素運動(筋トレ)が効果的
です!

また、成長ホルモンの分泌は
午後10時から午前2時に最大になるので
この間に睡眠を取るのが良いでしょう!

成長ホルモンには体脂肪燃焼効果以外にも
以下の働きがあります!

・タンパク質合成を促進
・コラーゲン合成を促進
・軟骨の成長促進
・免疫細胞の機能促進

②テストステロン

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骨格筋の合成に働く、主要な男性ホルモンです。
また、造血作用、男性の性機能に働きます。

男性は精巣から女性は副腎や卵巣から分泌されます。

分泌するにはテストステロンの原料のコレステロール摂取する必要があります。

コレステロールを意識して摂りつつ
バランスの良い食事をすること大切です。

また、
適度な運動、十分な睡眠、規則正しい生活リズム、
ストレスを溜めないこと
が大切です。

③コルチゾール 

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タンパク質の分解酵素を増やし、筋分解に働く
ホルモンです。

ストレスが溜まると急激に分泌が増えることから、
別名「ストレスホルモン」とも呼ばれます。

腎臓の上にある副腎の皮(副腎皮質)から
分泌されます。

コルチゾールが分泌されるのは
ストレスから身を守ろうとして起きる現象です。
一時的な増加は問題無いのですが、
長期のストレスを受けることで、脳の海馬を委縮
させます。

海馬は、特に短期記憶に密接に関連してくるので
注意が必要です。

そのため、
コルチゾールの分泌にはバランスが大切になります。

コルチゾール分泌のバランスを整えるには、
有酸素運動(ランニング、ジョギング)が有効です!

またストレスを溜めないことも大切です!

④インスリン

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血糖値を下げ、安定させる働きをもつホルモンです。

膵臓ランゲルハンス島のβ細胞から分泌されます。

また、インスリンはテストステロンなどより、
筋の合成に最も強く働きます。

糖質を摂取することで分泌されます。

「じゃー筋肉を大きくするには
     糖質をたくさん食べればいいんだ!」

と思うかもしれませんが、ここで注意が必要です。

インスリンは中性脂肪の合成も促進してしまいます…。

よって、糖質をたくさん摂ると
体脂肪もつきやすくなるので注意が必要
です⚠️

⑤グルカゴン

血糖値を上げ、安定させる働きを持つホルモンです。

これこそが糖新生の時に分泌されるホルモンです!
やっと繋がりましたね!

肝臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されます。

インスリンとは真逆の働きをします。
グルカゴンは筋肉を分解してしまう働きがあるので
ボディメイク時には
グルカゴンの分泌をおさえなくてはなりません。

空腹状態が続くことで分泌されるので、
小まめな食事が必要です!

⑥エストロゲン・プロゲステロン

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エストロゲン(卵胞ホルモン)と
プロゲステロン(黄体ホルモン)
女性ホルモンです。

女性ホルモン
妊娠・出産の機能、そのための身体作りを誘発する
という働きを持つホルモンです。

女性ホルモン卵巣から分泌されます。

女性ホルモンの一つエストロゲン
妊娠の準備、女性の美と健康を支えるといった
働きを持っています。

エストロゲンの分泌が多くなると…

・痩せやすくなる
・気分が明るくなる
・活動的になる
・性欲が高まる

といった体と心の変化が起こります。

一方、女性ホルモンのもう一つプロゲステロン
妊娠の維持という働きを持っています。

プロゲステロンの分泌が多くなると…

・むくみやすくなる
・便秘になりやすい
・気分が不安定になる
・食欲旺盛になる

といった体と心の変化が起こります。

「じゃーエストロゲンだけを
    増やせればいいんじゃない?」

と思うかもしれませんが、

エストロゲン増えすぎる
子宮ガンや乳がんなどの病気に繋がってしまいます。

エストロゲンを増えるのを抑えているのが
プロゲステロンなので
2つのバランスが大切になります!

ボディメイクの影響として
プロゲステロンの分泌が多くなる生理前(黄体期)にはむくみにより体重計の数値が高くなりやすいです…

しかし、

エストロゲンの分泌が多くなる生理後(卵胞期)には
体脂肪が燃焼しやすいので
体重計の数値が落ちやすくなります!

以下に女性ホルモンの周期を記します↓

※女性ホルモンの周期(約28日間)

①月経期(エストロゲンプロゲステロン共に低い)
②卵胞期(エストロゲンの分泌が多くなる)
③排卵期(プロゲステロンの分泌が多くなり始める)
④黄体期(プロゲステロンの分泌がピークに達し、
     徐々に減り始める)

【5.まとめ(生理学を学んで)】

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生理学を学ぶと
ダイエットに関わるホルモンの働きや
ホルモンの分泌条件を知ることができます。
そのため、効率的で適切なダイエットができるのです!

〈生理学を学んで…〉

お客様にはそれぞれの目的、目標があります。
それらに全てに対応するために、
生理学の知識は必要であると感じました。
お客様にしっかりとした知識を提供し、
より良い暮らしをしていただくためにも
これからもたくさん学んでいこうと思いました!

今回はかなりのボリュームでしたね💦
お疲れ様でした☺️

そして、最後までご覧頂きありがとうございました!!

佐藤涼太

コラムを書いた人
佐藤涼太

トレーナーズラボ第6期生の佐藤涼太です。