パーソナルトレーナーにとって生理学とは【VOL・2】

前回に引き続き「生理学」について紹介していきます。

私は5月、6月と2ヶ月間ケトジェニックダイエットというものを行ってきました。

ケトジェニックダイエットとはケトン体ダイエットとも言われ、エネルギー源を主に脂質から摂取し体を追い込むダイエット方法のことを言います。

炭水化物の摂取量を極端に抑えて摂取カロリーの約60%を脂質から摂取し、体のエネルギー源として炭水化物を使えず、代わりに体に蓄えてある脂肪を分解して使おうとする代謝状態(ケトーシス)に入ります。

生理学を勉強した上ででケトジェニックを行った私はどんな食事をしてどんな時にどんな運動をすれば良いのか少し理解できていたので効果があったと思います。

今回はボディメイクに関わるホルモンについて紹介していきます。

目次

  1. ⒈インスリン
  2. ⒉成長ホルモン
  3. ⒊コルチゾール
  4. ⒋テストステロン
  5. ⒌生理学を勉強した感想

⒈インスリン

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インスリンとは血糖値を下げる働きのあるホルモンのことです。インスリンの作用が不足した状態になっている時、インスリン注射で外部からインスリンを補うことによって血糖値を下げます。

糖分を含む食べ物は消化酵素などでブドウ糖に分解され、小腸から血液中に吸収されます。食事によって血液中のブドウ糖が増えるとすい臓からインスリンが分泌され、その働きによってブドウ糖は筋肉などに送り込まれエネルギーとして利用されます。

このようにインスリンは、血糖値を調整する働きがあります。

⒉成長ホルモン

成長ホルモンはその言葉からも分かるように、「身長を伸ばすホルモン」としてよく知られていると思います。しかし、成長ホルモンにはもう1つ需要な役割があります。それは、体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく働きです。これを代謝と言います。私たちが生きていくためには、体内でエネルギーを作ることが欠かせませんが、成長ホルモンはその過程で大切な役割を担っています。

トレーニングを行うと分泌が活性化することで有名なホルモンといえば、成長ホルモンです。成長ホルモンにはタンパク質を合成して筋肉をつけたり、体脂肪を燃焼させる働きがあります。成長ホルモンは加齢とともに分泌量が低下していくものです。成長ホルモンの分泌が少なくなると、やる気が低下したりイライラしやすくなったりなど、メンタル面にも影響を及ぼす場合があります。そこで、トレーニングを行うことによって、メンタル面への影響も改善することができるのです。

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成長ホルモンを多く分泌させるためには、大きな力を瞬間的に出すクイックリフトのようなトレーニングより、力を持続させて発揮させるスロートレーニングのようなじっくり筋肉に聞かせる方法の方がオススメです!!

⒊コルチゾール

コルチゾールの主な働きは、肝臓での糖新生、筋肉でのタンパク質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などで、生体にとって必須のホルモンです。別名ストレスホルモンと呼ばれます。

トレーニングをしている人からは筋肉の異化作用(分解してしまう)があるホルモンとしてコルチゾールは有名で多くのトレーニーの敵となっています。

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どんな時にコルチゾールの分泌がされやすいのか、

①長時間のトレーニング

長時間のトレーニングは筋肥大にいい影響を与えるテストステロンの減少、コルチゾールの増加が起こり勿体ないトレーニングとなってしまいます。

②空腹状態が続く時

生活スタイルや仕事などで調節が難しい方もいるかと思いますが、栄養を摂取してから次の栄養摂取まで7〜8時間あいてしまうと、体内のエネルギーが枯渇してしまい、筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとする働きが起こってしまいます。こまめに間食を摂ることによって筋肉の分解を抑制することができます。

③朝

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1日のコルチゾールレベル

グラフを見ると分かるのですが、1日の中で分泌が1番高いのが起床前、起床時が高いことがわかります。

起床時の外光刺激、音の刺激から体を守る準備や、体温や血圧を上げて脳や体を活性化させることで眠りから覚醒する準備をしているためです。

コルチゾールレベルのグラフを見ると夜にトレーニングするのがいいと思います!

筋肥大にとってはネガティブなホルモンではあるのですが、生命を維持するためにはなくてはならないホルモンでもあります。コルチゾールを理解して上手く付き合い、効率の良いトレーニングをしていきましょう。

⒋テストステロン

テストステロンとは男性ホルモンの1種です。テストステロンは筋肉の量を増やしたり強度を高めて筋肥大させる造血作用があります。そのため、筋肉を増やしたいと筋トレをしている方にとっては、テストステロンは必要不可欠であり、テストステロンの分泌が少ないといくらトレーニングをしても、筋肉量の多い理想的な体を手に入れるなど筋トレの効果を出すことは難しいと言えます。

女性も副腎や卵巣でテストステロンを分泌しています。血中テストステロン値で比べると男性の20分の1程度と言われています。なので、男性ほどでなくても、女性も骨格や筋肉は発達します。

テストステロンと筋肉の関係というと、ボディビルやプロスポーツでのドーピングなどで悪名高いかもしれません。しかしテストステロンは自然に人間の体の中でも分泌されるステロイドホルモンの一つであり、健康な体を維持するために重要な役割を果たしています。

テストステロンは筋肉を太くする様々な信号を発信しますので、テストステロンが不足していると、トレーニングや運動をしていても効果を発揮できなくなります。

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⒌生理学を勉強した感想

今まで体の中のホルモンのことなど一切気にせず生活してきたため、今回ホルモンの1つ1つが体にとってどれほど重要なものなのか思い知らされました。

トレーニング・ダイエットなどホルモンの働きを理解しておけば効率よく行うことができる、そう思いました。

今後トレーナーとして働いた時、今回学んだことを活かしていきたいと思います!

いや、バンバン活かしていきます!!!!

今回も記事を読んでいただきありがとうございます。

次回は栄養学についてです。

小貫愛澄

コラムを書いた人
小貫愛澄

トレーナーズラボ第3期生の小貫愛澄です。

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