【パーソナルトレーナーとしての知識】生理学_VOL.1

こんにちは、白畑知行(しらはた ともゆき)です。
第4回は【生理学】についてお話し致します。
パーソナルトレーナーはトレーニング方法だけではなく、生理学の知識も身に着けていると、お客様のサポートに大きく繋がりますので重要です。
今回と次回に分けて生理学についてお話し致しますので最後までお付き合い下さい。

目次
1.異化・同化
2.ATP_身体に必要な要素
3.ATP生成①_ホスファゲン機構
4.ATP生成②_解糖系機構
5.ATP生成③_酸化機構

1.異化・同化
人は食事でたんぱく質・脂質・炭水化物などを摂取します。
そのときにエネルギーに変換されます。エネルギーの変換時には摂取した栄養素が合成や分解が行われており、この過程を『代謝』と呼ばれています。
その代謝では2つの作用があり、ひとつは摂取したものの分子が大きかった場合、それを小さい分子に分解するときにエネルギーが放出します。この作用を『異化作用』といいます。
その反対に小さい分子を大きな分子に合成する『同化作用』もあります。
この二つの作用の働きによって身体の代謝活動が行われています。

2.ATP_身体に必要な要素
先程ご説明した異化作用ではエネルギーを同化作用で使用するため、必要なエネルギー体があります。それがATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるエネルギー体になります。
名称そのままのとおりでアデノシンという細胞が産生するプリン代謝物に3つのリン酸が結合したもので、このATPは運動時に結合した一部のリン酸がエネルギーを放出し筋肉の収縮が行われます。
筋肉の活動には、ATPの供給が必要になります。その必要な機構を以下でご説明させていただきます。

3.ATP生成①_ホスファゲン機構
ATPはトレーニングや日々の活動でエネルギーとして使われますと、ATPがADP(アデノシン二リン酸)に変化します。これはATPに結合された3つのリン酸の内の一つが使われたためです。エネルギーとして使用するときにクレアチンリン酸と結合し、再びATPになりエネルギーとして使われるサイクルになります。

4.ATP生成②_解糖系機構
解糖系機構は糖を分解し、ATPに再合成しエネルギーとして使用されます。
糖が分解されピルビン酸とATPに分けられます。解糖系機構では速い解糖と遅い解糖の働きがあり、速い解糖ではピルビン酸が乳酸に変換されます。乳酸が溜まりますと、筋肉がパンパンになり、筋収縮の阻害になります。(全力で走った時に足がパンパンになるのがイメージしやすい例かと思われます)筋肉の活動には、遅い解糖系では乳酸に変換されず、ミトコンドリアに移動し、そのミトコンドリア内で酸化機構で処理されます。その酸化機構について次の項目でご説明させていただきます。

5.ATP生成③_酸化機構
酸化機構は安静時や低強度の運動時に働く機構になります。ちなみに安静時の例として挙げると椅子に座った状態のことを指します。糖→脂肪→タンパク質の順にATPに再合成されます。この機構のATP構成は主に糖と脂肪から行われます。運動強度が低ければ低いほど、脂肪からATPを作りだそうとしていますので、よく耳にする睡眠はしっかり取ることに理が適っています。

いかがだったでしょうか。エネルギーの消費は運動量が多いや高強度ではいけないというイメージが少しでも払拭していただければ幸いです。日常の些細な行動でもエネルギーは使用されています。いまはショートスリーパーと呼ばれている短い睡眠で一日活動時間を増やそうという考え方もありますが、最低6時間の睡眠でもエネルギー消費が発生し減量に繋がるのであれば、ボディメイクをされている方は睡眠を多く取ることを選択されると思いますし、私も睡眠を多く取ることを推奨します。

次回は生理学の続きで、糖新生とボディメイクに関わるホルモンについてご説明いたします。

白畑知行

コラムを書いた人
白畑知行

トレーナーズラボ第17期生の白畑知行です。

instagram