パーソナルトレーナーが知っておくべき知識「生理学」〜エネルギー機構と運動の関係〜

ボディメイクをするにあたって特に大事になる事は2つ。それは運動と食事である。食事はもちろんだが運動がボディメイクではとても重要になる。そこで運動をする上で知っておきたいことがある。運動の強度、時間によってエネルギーのつくられ方が変わってくる。そしてどの運動をした方が良いのか。

目次

ホスファゲン機構
解糖系機構
酸化機構
脂肪燃焼
糖新生

ホスファゲン機構

ホスファゲン機構が主に働く運動は短い時間かつ高強度の運動、つまり無酸素運動時のエネルギー供給機構になる。また無酸素運動だけでなく有酸素運動の開始時にも働く。ただ、この機構では中〜長時間の運動で十分なエネルギーを供給できない。そのため後に紹介する他のエネルギー供給機構が必要となってくる。

解糖系機構

解糖系機構とはその名の通り糖を分解することでエネルギーを生成する機構である。そしてこのエネルギー供給機構だけ『速い解糖』『遅い解糖』の2つにさらに分かれる。筋トレとはこの機構にあたり、速い解糖ではエネルギーを生成する際、同時に乳酸も生成する。この乳酸が溜まってくると、次第に身体が動かなくなってくる。これは多くの方が体験したことがあるであろう。一方で遅い解糖は細胞内における酸素量が十分で、必要となるエネルギーがあまり多くない軽い強度の運動で働く。

酸化機構

酸化機構はランニングやスイミングといった3分を超える運動、つまり有酸素運動時に働く。基本的にこのエネルギー供給機構は脂質や炭水化物をエネルギー源としている。そして最後にエネルギー源となるのはたんぱく質である。人間は普通に生活するだけでもエネルギーが必要となる。そこで平常時においてはこの酸化機構がエネルギー供給機構として働いている。

ATP

ミトコンドリア

異化と同化

脂肪燃焼

上で紹介したそれぞれのエネルギー供給機構で、唯一脂肪をエネルギーとする機構は酸化機構である。その点から痩せるには走る、有酸素運動が効果的と聞いたことがあるのではないか。しかし、走るだけで本当に効果的に脂肪を燃やすことはできるのだろうか。
そこで知っておきたいのは解糖系機構で生成される乳酸という物質だ。この物質は体内に蓄積すると成長ホルモンが分泌される。このホルモンこそ体脂肪燃焼ホルモンといわれ、効率的に脂肪を燃やすのを助けてくれる。そのことから筋トレをしてから有酸素運動をした方が1番良いことがわかる。これらの点が頭に入っていれば、効率良くボディメイクができるだろう。

糖新生

もう1つボディメイクをする上で知っておくべきことがある。それが糖新生である。これは糖以外の物質から体内で糖を作りだす仕組みのことをいう。もちろんたんぱく質からも糖を作りだすことができる。たんぱく質、つまり筋肉を分解して糖を作ってしまうことになる。ボディメイクする上ではなんとしてでも避けたい。なので運動後はもちろんだが、運動中や運動前も栄養を摂ることが望ましい。食事の間隔が空いてしまう時にも間食を入れると筋肉からの糖新生を防ぐことができる。

まとめ

パーソナルトレーナーに必要な生理学についてまとめました。NSCAなどパーソナルトレーナーの資格を持っているだけでなく、これらいくつかのポイントを知ってるか知っていないかでは、効率も結果も大きく変わってくる。ボディメイクで大事な運動の効果は生理学の知識が左右するのではないかと私は思う。

白井達也

コラムを書いた人
白井達也

トレーナーズラボ第2期生の白井達也です。

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