パーソナルトレーナーが考える生理学vol.2

パーソナルトレーナーのさやえんどう(遠藤亮子)です。
前回は人間が身体を動かすためのエネルギーがどのように作られるかについて解説しました。
口から取り入れたものが私たちの身体を作りエネルギーになるのなら、バランス良く栄養を取り入れていきたいところ。生理学の中でも今回はホルモンの知識を身に付けて、効率的な栄養摂取 ―ケトジェニック(糖質制限)— を実践するのに役立てていきましょう。

①ボディメイクに役立つホルモン テストステロン

ボディメイクの際、知っておくと役立つホルモンがあります。
まずはテストステロン。筋トレなどの運動で分泌が促進され、筋肉増強の作用があります。
男性ホルモンでしょう?と思われるかもしれませんが女性も体内(卵巣と副腎)から分泌されています(男性は精巣から)。女性のテストステロン分泌量は男性の1/20程度。だから同じように筋トレをしても女性は男性のようにムキムキになるのは難しいんですね。

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②ボディメイクに役立つホルモン 成長ホルモン

成長ホルモンは子どもの成長にのみ必要だと思っていませんか。実は大人にとっても重要なホルモンなのです。アンチエイジングにも有効な成長ホルモンですが、体脂肪を減少させる働きがあります。このホルモンが最も多く分泌されるのは午後10時から午前2時。この時間にしっかり睡眠を取る事で体脂肪の減少が促されます。寝るだけで痩せる上にアンチエイジング効果があるなんて使わない手はありません。現代人にはなかなか難しい時間帯ですが、このゴールデンタイムにしっかり睡眠を取っていきましょう。

③ボディメイクに役立つホルモン インスリン

耳馴染みのあるホルモンですね。血糖値を下げる事が主な働きですが、筋肉の合成に最も強く働くと言われています。筋トレ直後に血糖値を上げるとバルクアップ(筋肥大)に効果的ということで、あえて糖質を摂取し血糖値を上げてインスリン分泌促進を狙う方法も有効です。

④ボディメイクに役立つホルモン アディポネクチン

近年注目を浴びているアディポネクチンは別名やせホルモンとも呼ばれ、脂肪細胞から分泌されます。脂肪を燃焼させる働きや動脈硬化等の生活習慣病予防にも働いてくれます。大豆製品や青魚の油はアディポネクチンの分泌量を増やす作用があると言われています。積極的に摂取していきたいですね。

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⑤ボディメイクに役立つホルモン 女性ホルモン

女性ホルモンにはエストロゲンプロゲステロンの2種類があり、エストロゲンは妊娠の準備、プロゲステロンは妊娠の継続を担う働きがあります。排卵後の生理1週間前あたりからプロゲステロンの分泌が増え、むくみや体重増など心身ともに不調な時期に入ります。生理後はエストロゲンの分泌量が増え心身ともに活発になり、最も痩せやすい時期に。エストロゲンは別名やせホルモンと言われ、体脂肪の燃焼を促す役割もあります。

⑥ボディメイクの役に立たないホルモン グルカゴン

インスリンと拮抗するホルモンで、低血糖が起こらないよう血糖値を上げる働きがある他、筋の分解(糖新生)を誘発させる働きがあります。血糖値が下がりすぎると糖新生が起こってしまうため、こまめに食事を取り糖新生を防ぐ必要があります。その他別名ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールも同じく筋を分解する作用があります。

いかがでしょうか。ボディメイクの鍵となる筋肉増や脂肪減にホルモンは重要な役目を担っていることが分かりました。有効なホルモンを多く分泌させるためにも、生活習慣を整え、バランスよく栄養を摂っていきましょう!

遠藤亮子

コラムを書いた人
遠藤亮子

トレーナーズラボ第5期生の遠藤亮子です。

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