栄養学なしにパーソナルトレーナーと名乗ってはいけない vol.1

パーソナルトレーナーの遠藤亮子です。
栄養学、その昔習った記憶はあれど内容はほとんど記憶の彼方・・・という方も多いと思います。「体に良いもの=野菜」というイメージで野菜ばかり食べているという話もちらほら。バランスの良い栄養が体にどんな影響を与えるのか、ボディメイクに携わるパーソナルトレーナーなら当然知っておくべきこと。一生健やかに生きていくために必要な栄養について一緒に考えていきましょう。

バランスよく栄養を、って?

私たちの身体は口から取り入れたもので作られています。私たちの身体を動かすエネルギーもまた同じです。

便秘だから食物繊維を取ろう!

とは考えても

メンタル落ちてきたからたんぱく質を取ろう!

とはなかなか考えられないですよね。多くの人にとって栄養バランスと身体との相関関係を知る機会はなかなかありません。知識と実行力さえあれば、自分自身で心身とも良いコンディションに保つことができるんです!

それでは、栄養バランスについて考えていきましょう。

五大栄養素 ①たんぱく質

バランスよく摂りたい栄養は5種類。まずはたんぱく質

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マッチョが飲むイメージのプロテイン。Protainは直訳でたんぱく質。
筋肉増量のために取るプロテインですが、実は内臓や髪、爪や肌を作る材料にもなります。
子どもの場合たんぱく質が不足すると成長不良が起きますが、大人の場合も

・ホルモン分泌低下
・免疫力低下
・老化が進みやすくなる
・メンタル不調
・不眠


のようなデメリットが!
たんぱく質はメンタルにも大きく影響するんです。朝食をパンとコーヒー・サラダで済ませてしまうと不足してしまうたんぱく質。卵を追加したり、焼き鮭に納豆を添えた和定食にするなど意識して摂取量を増やしていきましょう。(必要摂取量については次回お話します)

五大栄養素 ②脂質

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油=体に悪い・太るもの、と思っていませんか?(私は思っていました)
脂質は第二のエネルギー源である他、体温を保持したりホルモンの生成促進、腸の働きを活発にしたりと身体にとって大切な栄養素です。ただし良質の油に限ります!
積極的に摂りたいのは以下の油です。

・オメガ3脂肪酸 えごま油 魚の油 アマニ油など
・オメガ9脂肪酸 オリーブオイル アボカドなど
・中鎖脂肪酸   ココナツオイル MCTオイルなど

避けたいのはサラダ油などのオメガ6脂肪酸、マーガリン・ショートニングに含まれるトランス脂肪酸。コレステロール値を上げる動物性脂肪などは取りすぎ注意です。スナック菓子やドレッシング等に含まれる酸化油も体にとって良くない物なので遠ざけた方が良いでしょう。

五大栄養素 ③炭水化物

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炭水化物=糖質+食物繊維です。最近もよく耳にする糖質制限は炭水化物をカットしたり減らしたりする食事方法ですね。悪者にされがちな糖質ですが、活動するためのエネルギーになりやすく、また筋肉にグリコーゲンとして貯蔵され、エネルギーとして活用されます。
摂りすぎると肥満生活習慣病を引き起こしてしまう糖質ですが、丼物やうどん・パスタなど日本人の食事は糖質多めに偏りがち。

糖質摂取で血糖値が急激に上昇すると分泌されるインスリンには、脂肪をつきやすくする働きが。低GI食品の玄米や蕎麦、全粒粉やライ麦粉を使ったパンなど、食物繊維が多い良質の糖質を選んで摂っていくと良いですね。

五大栄養素 ④ビタミン⑤ミネラル

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④ビタミンといえばビタミンC、果物や野菜に含まれているイメージですが、ビタミンの種類は豊富。たんぱく質に多く含まれ、実は繊維質が多い野菜からは吸収しづらいという面も。ビタミンには2種類のタイプがあります。

・水溶性ビタミン B1・B2・B6・B12、ビタミンCなど
・脂溶性ビタミン ビタミンA・K・E・D

いずれも代謝や免疫機能、抗酸化作用や血液の生成に関与する欠かせない栄養素です。

⑤ミネラルは2種類。

・多量ミネラル
 カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・リン・カリウム
・微量ミネラル 鉄・セレン・銅・クロム・モリブデン・ヨウ素・亜鉛など

多量ミネラルの一種であるカルシウムは骨や歯の主成分であり、その形成にはマグネシウムが必要です。体内水分に関わるナトリウム、リンは細胞膜の構成成分、カリウムはむくみ防止に効果が。子魚や豆類、食塩や海藻・野菜から摂取できます。
微量ミネラルの鉄や亜鉛は現代人に不足しがちな栄養素です。肉類・魚類やレバーで補給していきましょう。

「カツオはたんぱく質やミネラルが豊富」であるように、ひとつの食品に複数の栄養が含まれている物は多くあり、その効果も枝葉を伸ばし色々な身体の機能に関わっています。万全の体調を目指して、栄養がそれぞれの効果を発揮できるようたくさんの種類の食品をまんべんなく摂っていきましょう。

食事の知識があって初めて健康的な身体作りも可能になります。パーソナルトレーナーとしてお客様のボディメイクを正しくサポートするためにも、栄養学は深く学ぶべき分野です。自身の健康のためにも日々の食事に丁寧に向き合っていきましょう。

遠藤亮子

コラムを書いた人
遠藤亮子

トレーナーズラボ第5期生の遠藤亮子です。

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