トレーナーとしての生理学④

前回、体を動かすATPについて、説明しました。今回は、実際に体を動かす時、ATPをどのようなシステムで供給されるのかを見ていきましょう。

運動時、途中でATPがなくなったら大変ですよね。体が動かなくなり運動出来なくなってしまいますよね。
運動時のATPの供給システムは、運動強度、運動する時間によって、5つのシステムがあります。

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エネルギー機構

運動強度と時間によって5つのシステムがあります。
詳しい見ていこうと思います。
ホスファンゲン機構
一番早い供給システム。表にあるように、短時間のきつい運動時に使われます。
例えば、ベンチプレス1RM(一回しか上がらない重量)を上げる時など。
早いけど、弱点はATPを供給する量が少ないこと。
速い解糖系
ホスファゲンより時間が長い時に使うシステム。6秒から30秒の運動時。
例えば、50メートル走とか。
弱点は、乳酸を産出してしまうこと。
遅い解糖系
30秒以上3分位の運動時に使われるシステム。
例えば、400メートル走や、競泳、800メートル走など。

解糖系なので、弱点は乳酸を産出してしまうこと。

酸化機構
3分以上の運動時、安静時に使われるシステム。脂肪代謝によるもの。
ATPを作り出すスピードは遅い。産出量は一番多い。
例えば、マラソンとか、散歩とか。

うまく出来てるでしょう。このシステムのおかげで、エネルギー不足にならずに運動ができます。

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解糖系
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ホスファゲン機構
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酸化機構

このシステムがあるから運動時にエネルギー切れにならずに済みます。

前回までに糖を作る代謝についてみてきましたね。その糖からATPが作り出されて、体が動く。運動の強度と時間によって、ATPの供給システムがあることもわかりました。
少し前回に戻りますが、代謝時、糖がどこで、どのように作られるのか?それについてみていきましょう。

糖新生
糖新生とは、糖質以外の物質(筋肉、脂肪など)から、糖を作り出すシステム。
主に肝臓で行っています。

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糖新生

文字通り、筋肉、脂肪から糖を作り出すシステムです。
これのおかげで、人は糖不足なく動くことができます。
でも筋肉減るの嫌ですね。このシステムが作動るのは、長時間の空腹、脂質代謝(ケトジェニクク)、90分を越える運動時です。

基本的には糖を外から摂取して糖代謝してます。

こうして見てくると、人間の体よくできてますよね。
次回は脂質代謝のダイエット、ケトジェニククについて述べたい土曜日思います。

そのエネルギー源を糖からではなく、脂質(ケトン体)を原料にした代謝サイクルに変えるダイエット法のことを「ケトジェニックダイエット」といいます。
ご飯などの炭水化物を殆ど取らないダイエットです。
詳しいは次回のお楽しみにしましょう。

今回は運動時のエネルギーの供給システムを見てきました。運動の強度と時間によって、システムが違い、エネルギー切れしないようになってることを学びましたよ。

次回は糖新生をもう少し詳しくとケトジェニククについて述べていきたいと思います。次回を楽しみに待ってて下さい。

千原 文則

コラムを書いた人
千原 文則

トレーナーズラボ第21期生の千原 文則です。

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