コラムを書いた人
清水祥永
トレーナーズラボ第18期生の清水祥永です。
こんにちは。清水祥永と申します。皆さんは「生理学」というものをご存じでしょうか。おそらく「聞いたことはある」という方が多いかと思います。今回は、この生理学の内容と、それがパーソナルトレーナーとどう関係しているのかについて触れていきたいと思います。
まず、「生理学」とは何か。「人体の機能を学ぶ学問」です。この生理学を学ぶ際には、「解剖学」つまり「人体の構造を学ぶ学問」とセットで学んでいくことが基本となります。そのため、「解剖生理学」と一括りで呼ばれることが多いですが、今回は生理学にフォーカスしてお話をしていきたいと思います。パーソナルトレーナーを目指している方であれば、ここまでのお話を聞いただけで生理学がどれほど重要な学問なのか、ご理解頂けると思います。人体の機能を理解することができれば、どのようなトレーニングが、人体にどのような影響を及ぼし、最終的にどのような結果に至るのか、ということを明確な根拠を基に分析できるようになります。では、生理学の具体的な内容について、項目ごとに少し細かく見ていきます。
全ての生物の体内では常に化学反応が起きています。この化学反応のことを「代謝」といいます。そしてこの代謝は「異化」と「同化」というものに大別されます。
・「異化」⇒大きな分子を小さい分子に分解⇒エネルギーを放出
・「同化」⇒小さな分子を大きい分子に合成⇒エネルギーを吸収
では、今の話をおにぎりに置き換えて考えていきます。
・小さな米粒から大きなおにぎりを崩れないよう合成するためには、海苔をくっつける必要があります。
・海苔のついた大きなおにぎりを米粒に分解したら海苔は必要なくなります。
ここでの「海苔」が「エネルギー」にあたります。
・海苔をくっつける⇒海苔吸収、つまりエネルギー吸収【同化】
・海苔が必要ない⇒海苔放出、つまりエネルギー放出【異化】
ATPとは、先述したおにぎりの「海苔」つまりエネルギーのことです。
全ての生物が持っているエネルギー物質。「アデノシン三リン酸」の略で、別名「エネルギーの通貨」とも呼ばれています。生物界においてエネルギーをつかって活動するためには、必ずATPというお金を使うということからそのような別名を持っています。
生物が活動するためには、必ずATPが使われるという話をしました。
ただし、このATP、体内に少ししか存在しません。そのため、活動し続けるためには体内でATPを作り続ける「再合成」が必要となってきます。
ATPを再合成する手段は3つ存在し、それぞれ「ホスファゲン機構」、「解糖系機構」、「酸化系機構」というものがあります。
ATPの再合成を行うにあたり、この3つの機構が同時に働くというわけではありません。身体活動の「運動強度」と「運動継続時間」によって3つのうちの1つが体内で選択され、再合成を行います。厳密に言えば、同時に2つの機構が働くこともありますが、ここではわかりやすくするため1つずつ働く。という仮定で見ていきます。
これら3つの機構について、運動強度と運動継続時間により働くタイミングが変わると言いましたが、その他にも、それぞれ働く際に使用するエネルギー源も変わってきます。
◆運動強度:非常にきつい
◆継続時間:0~30秒
◆エネルギー源:ATP・クレアチンリン酸
◆参考競技:100m走・重量挙げ など
◆運動強度:きつい~普通
◆継続時間:30秒~3分
◆エネルギー源:炭水化物(糖質)
◆参考競技:400m走・800m走・ボクシング など
◆運動強度:軽い
◆継続時間:3分以上
◆エネルギー源:炭水化物(糖質)・脂質・タンパク質
◆参考競技:1500m走・マラソン など
ここまで簡略的に生理学についてご覧頂きましたが、実際の内容はさらに細かく、理解をするのに苦労しました。資格を取得するために独学で勉強はしましたが、しっかりと理解できる域には到達できませんでした。資格取得後にスクールへ入学し、そこでも生理学について勉強をしましたが、しっかりと内容を理解されており、且つ現役のパーソナルトレーナーである講師の講義となると、独学とは比較にならないほど理解がしやすかったです。
単純に生理学についての話だけではなく、その内容がパーソナルトレーナーとどのように結びつくのか。というように、資格取得のためだけの勉強ではなく、しっかりと実践で使っていける内容の講義を受けることができたと感じています。
次回は生理学 VOL.2。ボディメイクにおける糖新生とホルモンの関係性について触れていきたいと思います。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。