コラムを書いた人
清水佑花子
トレーナーズラボ第6期生の清水佑花子です。
前回の記事では体のエネルギーの作られ方の種類などをお話しさせていただきました。
今回は糖以外からエネルギーを仕組みや、人間のホルモンのお話などボディメイク時だけでなく
健康的な生活を送るために、知っておくと良い情報を簡単にお話しできればと思います!
今回は以下のように進めていきます!
▼糖新生って何?
▼運動強度と運動時間別で使われる機構
▼ボディメイクや健康的に過ごすために必要なホルモン
1.インスリンとグルカゴン
2.成長ホルモン
3.テストステロン
4.コルチゾール
5.アディポネクチン
6.エストロゲンとプロゲステロン
▼まとめ
早速見ていきましょう!
糖新生とはいきなり言われても何?って思いますよね。
人間が糖からエネルギーを作り出しているというのは、前回の記事でもお話しましたが、なんともすごいことに
人間にはエネルギーの素である糖が体からなくなったときに、
糖以外のものから糖を作り出すことが出来る機能
が備わっているのです!すごいですよね~!
それが糖新生という仕組みです。
糖新生は肝臓や腎臓で行われます。糖以外の物質とは、具体的にトリグリセリド(中性脂肪)や乳酸、アミノ酸(筋肉)などです。
注意しなければならないのは、糖新生は筋肉の分解も起こしてしまうということです。
筋肉の分解はこの2つの状況下において進行してしまいます。。
① 長期間の飢餓状態
② 90分以上の運動
空腹の時間が長くなると分解(カタボリック)が進んでしまうのでこまめに食事をとることで防ぎましょう!
また、運動も長くて一時間くらいまでにしましょう!
糖新生が行われて筋肉が少なくなってしまうと、基礎代謝が下がって太りやすい体質になってしまいます。。。。
筋肉はエネルギー消費や熱の生成、体型の維持、力の発揮など
ボディメイクや健康的な体を維持していくためにも、とても重要なので筋肉の分解は最小限に留めるようにしたいですね!
上の図のようにエネルギーを産生するのには、運動強度が優先されて使われる機構が決まるということは前回の記事でもお話ししました。
ここでは、運動時間別では使われる機構がどのように変化していくのか見ていきます。
時間でみると運動開始直後はホスファゲン(クレアチンリン酸系)から使われて
解糖系、有酸素系と移り変わっていっていますね!
運動しているときには全ての機構が使われていますが、その割合が異なってくるということですね。
ホルモンとは体中のあちこちにある内分泌腺というところで作られている物質です。
ホルモンはそれぞれの内臓の機能や体の調子を整える役割をしています!
1.インスリンとグルカゴン
インスリンとグルカゴンは機能的には対になっているホルモンです。
●インスリン・・・血糖値を下げる
膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌
同化ホルモンで筋の合成にも強く働く
●グルカゴン・・・血糖値を上げる
膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌
異化ホルモンで筋を分解する糖新生を誘発
食事をとったときに血糖値が急に上がってしまうとこのインスリンが大量に分泌されます。
この時、処理しきれなかった糖が脂肪細胞に体脂肪として蓄えられてしまいます。
それが繰り返されるとオーバーワークになってしまい、糖尿病に繋がってしまうこともあります。
なので、血糖値を急激に上げないような食事をとることが大切と言われていますね!
2.成長ホルモン
脳下垂体というところから分泌されるタンパク質です。
成長ホルモンは、血中の乳酸濃度が高まると分泌が活発になり、脂肪燃焼に関わってきます!
短時間で高強度の運動をすると、血中乳酸濃度が上がってきます。
ですので、前回の記事でお話ししたホスファゲン機構と速い解糖系での運動をする必要がありそうですね!
また、夜22時~深夜2時の間に分泌量がピークを迎えゴールデンタイムに突入します!
このゴールデンタイムの間に睡眠に入ると、、、
体脂肪減少、疲労回復、免疫細胞の機能促進など体に良いことがたくさんあるのですね。
実際に私も早く寝た時の方が筋肉痛の痛みが和らいでいてびっくりしたことがあります!
3.テストステロン(男性ホルモン)
男性は精巣から、女性も卵巣と副腎から分泌されています。
女性は男性よりの1/20しか分泌されないので筋トレをしても、男性のようにモリモリマッチョにはなりません(笑)
筋のタンパク質合成に影響して、成長ホルモンと相乗効果を持ちます!
テストステロンの分泌促進されるのは
大筋群を使うエクササイズをしたときや複数のエクササイズを実施したとき、2年以上のレジスタンストレーニング(筋トレ)、30~60秒の休憩制限をしたときなどがあげられます。
4.コルチゾール
別名、ストレスホルモンと呼ばれ、副腎から分泌されます。
分泌地されると、タンパク質分解酵素が増えることでタンパク質合成が抑制されたり
アミノ酸を糖質へ変換させてしまうので筋力の低下、カタボリックが起きてしまいます!
免疫抑制効果もあり、外部からストレスを受けると分泌が促進されてしまうので
なるべくストレスは溜めないようにしましょう!
5.アディポネクチン
こちらは別名、痩せホルモンや長寿ホルモンなどと呼ばれています。
脂肪細胞から分泌される分泌タンパク質で、内臓脂肪の量によって分泌量が異なってきます!
脂肪細胞が多い人→分泌量減少
脂肪細胞が少ない人→分泌量増加
となります。
アディポネクチンの効果として挙げられるのはこれらです。
・脂肪燃焼効果
・血管の傷を修復したあと拡張して動脈硬化の予防
・細胞内の脂肪酸を減少させてインスリンの効果を高める
・肝臓の酵素を活性化させ、糖や脂肪をエネルギーとして使う
こんなに良いことがたくさんあるなら分泌量は増やしたいですよね!
アディポネクチンを増やすためには
・運動をして内臓脂肪を減らす
・内臓脂肪を減らす効果のある大豆たんぱくであるβ-コングリシニンを取る(味噌や豆腐)
・食物繊維をたくさん摂る
などが挙げられます。3つくらいならやってみようって思いますよね!!
6.エストロゲンとプロゲステロン(女性ホルモン)
女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは以下のような流れで分泌されます。
女性がダイエットをした場合、食事やトレーニングを一生懸命やっていてもホルモンの関係で各数値が増減してしまう場合があります。。
そんな時にこのサイクルについて知っていると、数値は気にせずモチベーションを高く保ったまま継続することが出来そうですね!!
私自身生理学を学んでみて感じたことは、人間の体の仕組みをきちんと理解しておくことが出来れば、病気を未然に防ぎ、尚且つ健康的な体を作るボディメイクを提供できるようになるということです!
そのため、パーソナルトレーナーは生理学をきちんと理解しておくことが必要になってきます。
それだけでなく、その知識をもとにお客様の体のことを親身になって考え、ひとりひとりの体の状況に応じたお声掛けが出来るか、というところもパーソナルトレーナーには大切な要素になってくるかと思いました!!
長くなりましたが最後までありがとうございました!
次回は栄養学についてです!