コラムを書いた人
茅野宏志郎
トレーナーズラボ第6期生の茅野宏志郎です。
こんにちは、パーソナルトレーナーの茅野宏志郎です!
前回は、人間の仕組みを理解する学問、「生理学」についてお話させていただきました。
今回お話させていただくのは、「栄養学」です!
栄養学はパーソナルトレーナーにとって必須の学問であると言えます。
栄養について熟知した上で食事の仕方を教えてくれるトレーナーと、流行っているダイエット方法を仕組みを理解せずに勧めてくるトレーナー、どちらに食事のサポートをして欲しいですか?
明らかに前者ですよね!
栄養学を修めることで、食事サポートの説得力に大きな違いが出てきます。
今回は、そんな栄養学の基礎中の基礎についてお話していきます!
五大栄養素とは食物の中に含まれている物質のうち、人間が生命活動を維持するために必要な成分のことです。
基本的に五大栄養素がバランスよく潤沢に摂取できる食事が、良い食事と言えます。
五大栄養素は
①糖質(炭水化物)
②たんぱく質
③脂質
④ビタミン
⑤ミネラル
の5つです。これらが欠乏してしまうと、筋肉や骨密度の減少、鬱、認知症などの症状が出てきます。
日々の食事で、この5つをバランスよく摂取することを意識しましょう!
余談ですが、この5つに
⑥食物繊維
⑦水
⑧ファイトケミカル
を加えて、八大栄養素とする動きが近年見られます。この3つも人間が健康的に生きていく上で必要な栄養素です。
今回はその中でも、カロリーがある(エネルギーになる)3つの栄養素、
糖質
たんぱく質
脂質
について、2回に分けて解説していきます!
糖質は一般的に食物繊維と合わせて、炭水化物と呼ばれています。
役割としては人体のエネルギーとして使われ、余った分が肝臓や筋肉に貯蔵されます。
糖質は、糖類と多糖類に分類され、さらに糖類は単糖類と二糖類に分けられます。
単糖類・・・ブドウ糖、果糖
二糖類・・・ショ糖、乳糖
多糖類・・・でんぷん、オリゴ糖
などが主とされています。
それぞれについて解説していきます。
単糖類は、一つの糖で存在している最小単位の糖です。甘味があり、水に溶けやすいという性質があります。
単糖類の一つであるブドウ糖は別名グルコースと呼ばれ、血中を流れている他、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に貯蔵されます。
体を動かすエネルギーになったり、赤血球のエネルギー源になるなど欠かせない栄養素であるため、糖質をカットすると言っても0にしてはいけません。
果糖は主にフルーツに含まれる糖です。
特徴として
・血糖値が上がりにくく、満腹感が出にくい
・ブドウ糖に比べて毒性が高く、内臓への負担が大きい
が挙げられ、満腹感が出にくいが故の過剰摂取には注意が必要です。
56歳で亡くなったスティーブ・ジョブズは果実食主義であり、果実や野菜しか食べなかったそうです。早くに亡くなった理由の一つが、リンゴ、つまり果糖の過剰摂取と言われています。
ジュースやお菓子に大量に含まれており、特に果物ジュースは複数個の果物を使っているため注意しましょう。
果物を健康的な食べ物と認識している人が多いのではないでしょうか。
くれぐれも注意してください!!
二糖類は、単糖が2つ結合している糖で、単糖類と同じく甘味があり水に溶けやすいという特徴があります。
ショ糖はブドウ糖と果糖が組み合わさってできており、言ってしまえば砂糖です。
ショ糖は、虫歯の原因であったり、血糖値が上がりやすい、肥満になりやすいなど、うまく付き合っていかないとデメリットしかない物質です。
異常の理由からショ糖は、糖質制限をする際に、優先してカットするべき糖類になります。
乳糖は読んで字のごとく、牛乳などの乳汁に含まれている糖です。
この乳糖を分解するラクターゼという消化酵素が成人すると出てこなくなってしまう人が多く、消化不良から下痢を引き起こす可能性があります。
こちらも糖質制限の際に、カットするべき糖の一つです。
多糖類は多くの単糖が結合した糖で、水に溶けにくいという特徴があります。
オリゴ糖は少糖類とも呼ばれ、多糖類の中で結合している糖の数が少ない構造をしています。
オリゴ糖はビフィズス菌を増やし腸内環境を整えるという特徴があり、母乳や大豆、玉ねぎ、ブロッコリーの多く含まれています。
そのため下痢や便秘などの症状に非常に有効であり、積極的に摂取したい糖類になります。
でんぷんはブドウ糖が多数結合した植物性の多糖類で、皆さんご存じの通り白米に多く含まれる他、種子や根菜に含まれています。
ご飯をよく噛むと甘く感じるのは、でんぷんが分解されてブドウ糖になっているためです。
冷やすことで、レジスタントスターチ(消化されないでんぷん)が増え、脂肪になりにくくなるため、食べ方次第で脂肪になりにくくなる糖類になります。
食物繊維は消化吸収されない糖類です。
消化吸収されず、エネルギーにもならないという理由から不要なものと考えられてきました。
しかし近年、コレステロールや様々な有害物質、糖質の吸収を妨げる効果があることがわかり、血糖値のコントロールなどに使われるようになりました。
また、便の軟化や腸の動きを活発化させる効果もあり、便秘の改善にも使われています。
ですが、カルシウムや鉄分などのミネラルの吸収も妨げてしまうため、サプリメントなどによる、食物繊維単体の摂取はオススメできません。
1日20g程度を意識して摂るようにしましょう!
ごぼうなどの根菜や、キノコ類、海藻類、大豆、大麦などに豊富に含まれています。
近頃、コンビニなどで全粒粉のパンや、大麦入りのおむすびなど食物繊維が豊富に含まれる商品が増えています。
次に説明するGI値との関係から、それらの商品を買うことをオススメします!!
GI値(グリセミック・インデックス値)は、その食べ物が体内で糖に変わり血糖値が上昇するスピードを図ったものです。
ブドウ糖を100として表されており、低ければ低いほど脂肪が付きにくい食べ物であると言えます。
血糖値が上がりやすい食べ物を摂り続けることで、血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用が間に合わなくなり、血糖値が下がらない状態が糖尿病です。
糖尿病や肥満を防ぐためにも、食物繊維が豊富な食べ物を意識して食べるようにしましょう!
そばや、ライ麦パン、玄米などの茶色い炭水化物がオススメです!
いかがでしたでしょうか。
糖質は、正しく付き合わないとデメリットが非常に大きい栄養素です。
しかし、体の様々な器官のエネルギー源である糖質が0だと体に大きく負担が出てきてしまいます。
しっかり栄養学を学んだトレーナーに食事サポートしてもらうことの重要性が、わかっていただけたかと思います。
次回は、たんぱく質と脂質についてお話したいと思います!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!